建物の高さについての制限

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更新日:2016年10月3日

 建物を建てる場合、日照、通風、採光等、周辺との良好な環境を保持するために、建物の最高の高さ及び建物の各部分の高さに関して、建築基準法によって次のような制限を受けることになります。

用途地域による高さの制限(建築基準法第55条)

 第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域内の建物の高さは10メートルまたは12メートルまでという制限を受けます。
 その値は、地域の特性に応じて都市計画で定められますが、大田区内では10メートルのみ定められています。

前面道路からの制限(道路斜線)

道路斜線と制限を受ける範囲(建築基準法第56条第1項第1号)

 建物を建てる場合、その敷地が接する前面道路の反対側の境界線から一定の水平距離(「適用距離」という。)の範囲内においては、前面道路の反対側の境界線から斜線による制限を受けます。
 その斜線の傾きは、用途地域により下記の値が定められています。また、適用距離は、用途地域と容積率の限度に応じて、20メートル、25メートル、30メートル、35メートルのうちから定められた値となります。
 また、2以上の用途地域にまたがる場合は、それぞれの地域による斜線制限を受けます。

  • 第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域準住居地域 1.25
  • その他の地域 1.5

前面道路の境界線から後退した建物の道路斜線(建築基準法第56条第2項)

 建物(門・塀を含む)を前面道路の境界線から後退して建てる場合には、後退した距離に相当する分だけ、前面道路の反対側の境界線は、外側にあるものとみなされます。

画像:道路斜線の図

 この後退距離の算定にあたり、次の建物の部分は除かれます(高さの算定については、前面道路の中心線からの高さによる。)。(建築基準法施行令第130条の12)

  • 地盤面下の部分
  • 一定の要件を満たす物置等
  • 一定の要件を満たすポーチ等
  • 道路に沿って設けられる高さが2メートル以下の門又は塀(ただし、高さが1.2メートルをこえる部分については、網状等になっているものに限られます。)
  • 隣地境界線に沿って設けられる門又は塀
  • 高さが1.2メートル以下の建物の部分

道路斜線の緩和(建築基準法施行令第132条から第135条の2)

 建物の敷地が2以上の道路に面している場合、建物の敷地と前面道路との高低差が著しい場合等にあっては、制限の緩和があります。

高度地区の制限(建築基準法第58条、東京都市計画高度地区)

建物を建てる場合、高度地区の制限を受けます。
これには、通常北側斜線といわれる最高限度の制限と、一定の高さ以上にしなければならない最低限度の制限があります。

最高限度の制限

 真北方向に当たる隣地境界線または道路の反対側の境界線から、ある一定の高さと傾きを持った斜線による制限を受け、この斜線をこえて建てることはできません。
 なお、最高限度高度には,第1種高度地区、第2種高度地区、第3種高度地区の3種類があります。

画像:最高限度の制限の図

最低限度の制限

 最低限度高度地区は、第二京浜国道、中原街道、環状七号線及び環状八号線の各沿道の一部において指定されており、建物の高さを7メートル以上としなければなりません。
 ただし、指定区域内の建築面積の2分の1未満で、かつ、100平方メートル未満の場合は、その部分(下図斜線部分)については適用されません。

画像:最低限度の制限の図

隣地境界線からの制限 (隣地斜線)(建築基準法第56条第1項第2号)

 「道路からの制限」(道路斜線)、「高度地区の制限」のほかに、方位に関係なく敷地が接するすべての隣地境界線から、斜線による高さの制限を受けます。この制限は第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域を除くすべての地域に適用されます。
 なお、建物の基準の高さ(20メートル又は31メートル)をこえる部分を、隣地境界線から後退して建てる場合には、後退した距離に相当する分だけ隣地境界線は外側にあるものとみなされます。

  • 第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域   基準の高さ20メートル、斜線の傾き1.25
  • その他の地域   基準の高さ31メートル、斜線の傾き2.5

画像:隣地境界線からの制限平面図

画像:隣地境界線からの制限立面図

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