こころを育てる大田の保育 ～保育士の配慮～

　保育園待機児童が社会問題となり、国を挙げて保育サービス定員の拡充に取り組んでいます。大田区でも待機児童対策に積極的に取り組み、毎年10 園を超える私立保育園の開設を支援しています。保育士数が急激に増加する中で、経験豊富な保育士の占める割合が年々減少しており、保育の質の維持、向上が重要な課題となっています。

　一方、区立保育園は委託化により、保育士採用を行わなかった時期が続きました。保育は、きめ細かな心遣いと膨大なノウハウの集積です。区立保育園が培ってきた保育に関する知識や技術を継承し、保育行政を推進していくために数年前から保育士採用を再開しました。区立保育園においては、新しい世代の区の保育士に、これまでの蓄積をどう継承していくかが課題となっています。

　これらの課題を解決するため、区立保育園の園長がプロジェクトチームを組んで「こころを育てる大田の保育～保育士の配慮～」の改訂に取り組みました。
本書の内容は、現在区に蓄積されている保育に関する知識、技術、経験の集大成です。各園におかれましては、本書を日常の保育の手引きとして、また、研修のテキストとして、活用いただきたいと考えております。

　大田区では、18の特別出張所の区域に1か所ずつ拠点となる区立保育園を定め、その拠点園を中心に、私立保育園や保育ママの相互の連携と交流を図ることで区全体の保育水準の向上を目指しています。
　共に手を携え、大田の子どもたちが安全安心な環境の中で健やかに成長していけるよう、御協力をお願いします。

令和2年3月　　こども家庭部長　　水井　靖