令和6年第4回大田区議会定例会 区長開会あいさつ
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更新日:2024年11月29日
令和6年11月28日
本日、令和6年第4回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。今年の10月は、統計開始以来、最も気温が高い10月となりましたが、11月に入り立冬を過ぎ、小雪を迎える中、冬の訪れを実感する季節となってまいりました。
まず初めに、今月15日、三笠宮妃百合子殿下が薨去されました。 区は、御喪儀の当日26日には、哀悼の意を表するため、半旗を掲揚いたしました。 ここに謹んで心から哀悼の意を表します。
今月22日、国による新たな総合経済対策が発表されました。経済の現状について、成長と分配の好循環は動き始めており、長きにわたったコストカット型経済から脱却し、デフレに後戻りせず、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」に移行できるかどうかの分岐点にあるとの認識がなされています。本経済対策では、第一に、全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす「日本経済・地方経済の成長」、第二に、誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける「物価高の克服」、第三に、成長型経済への移行の礎を築く「国民の安心・安全の確保」の3本の柱を掲げ、日本を守り、国民を守り、地方を守り、若者・女性の機会を守り、全ての国民が安心と安全を感じられる未来を創っていくことを目指すとしています。幅広く様々な施策があげられていますが、第二の柱である「物価高の克服」として、特に物価高の影響を受ける低所得者世帯向けの給付金、地域の実情に応じた物価高対策を後押しする「重点支援地方交付金」が盛り込まれており、区としても地域の現状をしっかりと見極め、今必要となる施策に着実に活用し、本経済対策の効果を区内の隅々まで行き渡らせることで、区民生活・区内経済を守り、豊かな地域社会を築いてまいります。
次に、先月18日、小池東京都知事と意見交換を行いました。区の重点的な取組である、新空港線と併せた沿線のまちづくりについて、JRと東急蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ第一期整備区間の早期事業化を目指すとともに、京急蒲田駅からその先の第二期整備区間の事業化に向けた検討、蒲田や下丸子など沿線のまちづくりについて、引き続き都と連携しながら取り組んでいきたい旨、お伝えいたしました。更に、都と連携して取り組むべきテーマとして、自治体DXの更なる推進のためのデジタル人材の確保・育成に関することや、強靱で回復しやすい減災都市を目指し、持続可能なまちづくりを推進するための高台まちづくり、プラスチック回収車両にGPSを搭載したタブレット端末を設置するなど、DXを活用した資源プラスチック回収の全区展開について意見交換いたしました。小池都知事からは、特にDXについて、都と区市町村、GovTech東京、この3つが連携し、共同して取り組んでいくことが重要だと考え、都ではGovTech東京の多様な専門人材を活用した伴走サポートや専門研修等の人材育成に取り組んでおり、緊密に連携を図りながら区市町村のDXを後押ししていくとのお話がございました。今後も大田区、そして東京全体が更なる成長を遂げられるよう、私自身、成すべきことを着実に、スピード感をもって取り組んでまいります。
次に、新たな基本計画・実施計画の策定についてでございます。本年5月に第1回目の基本計画懇談会を開催して以降、これまで、専門部会も含め10回の会議を重ねてまいりました。懇談会でいただいたご意見を踏まえ、めざす姿への反映や、指標の追加など、施策、事業の精査を進めております。先月の懇談会では、分野横断的な共通課題や、計画の実効性を高めるための行政評価に関する議論もいただき、計画全体としての磨き上げを着実に進めております。大田区では、昭和58年に、最初の長期基本計画が策定されました。その時代、時代における課題は様々でありましたが、区は、最上位計画である基本計画に基づき、総合的に施策を展開することで、まちを発展させてきました。今回の基本計画は、計画期間を8年間としていますが、8年後には、今よりさらに発展したまちを実現できるよう、明確なビジョンをもった計画を策定し、推進してまいります。来月12日に予定している懇談会以降は、パブリックコメントへと進み、いよいよラストスパートをかける段階となっております。最後の最後まで精査を重ね、区の想いを詰め込んだ計画としてまいりますので、引き続き、皆様のご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
次に、公民連携の取組についてでございます。区は、先月25日、城南信用金庫と包括連携協定を締結いたしました。城南信用金庫は、区内に15店舗を保有している金融機関で、自治会・町会の行事に積極的に参加されるなど、地域に根差した活動に取り組まれております。また、防犯、産業、環境といった分野においても、城南信用金庫の強みである、全国の信用金庫とのネットワークや他企業等との連携を生かし、区内の創業支援や廃油回収事業などにも取り組まれております。このたびの協定締結を契機に、より幅広い分野において区との連携を進め、魅力的なまちづくりの実現に向けた様々な事業を展開してまいります。
次に、SDGsの推進についてでございます。 先月、19日・20日に、イトーヨーカドー大森店で子育て世帯を対象とした「大田区ナナハト学校」が開催されました。その中で、東京都と連携し企画した、SDGsに関するカードゲームを実施いたしました。このゲームは、プレーヤーが区長になったつもりで施策を選択し、SDGsのゴールにチャレンジするカードゲームで、こどもから大人まで楽しめる内容となっています。当日は多くの方がブースを訪れ、カードゲームを通してSDGsに触れ、理解を深める機会となりました。 また、今月開催された、OTAふれあいフェスタでは、「シーグラスアクセサリーづくり」のワークショップを実施いたしました。2日間で185名の方がブースを訪れ、海に捨てられたガラスを利用したオリジナルアクセサリーづくりを楽しむとともに、海洋ごみ問題について理解し、考える機会となりました。 今後も引き続き、区民の皆様が理解を深め、行動変容につながるきっかけづくりとなるような機会を提供し、SDGs達成に向けて着実に取組を進めてまいります。
次に、SAFに関する大田区と6事業者との連携についてでございます。区は、持続可能な航空燃料、いわゆるSAFの製造推進について民間事業者と連携することで、脱炭素社会の実現に貢献する取組を進めることといたしました。廃食用油などを回収して製造されるジェット燃料の一つであるSAFは、化石由来のものと比較して約60%~80%のCO2削減効果があると言われております。 区と、日本航空株式会社及び区内に店舗を有する5つの事業者がそれぞれの強みを活かし、区内のご家庭から出る廃食用油をSAFの原料として回収・リサイクルする仕組みを創り出すことで、将来に向けた更なる脱炭素化を強力に推し進めます。 今回の取組を始めるにあたり、先週21日に各事業者と区の7者間で「連携に関する合意式」を執り行い、連携協定を締結いたしました。SAFに関してこれだけ多くの事業者と連携した回収の枠組みは全国的にも珍しく、まさに24時間国際拠点空港である羽田空港と共存共栄するSDGs未来都市「大田区」だからこそできるものと考えております。今後も、SAF及び廃食用油回収の仕組みについて広報・啓発を幅広く展開することで、区民の皆様の環境に対する意識変革及び行動変容を一層進め、カーボンニュートラルの実現に向けて力強く前進してまいります。
次に、11月17日、田園調布せせらぎ館に体育施設が新たに開館いたしました。開館当日は地域の皆様とともに開館記念式典、オープニングイベントを行いました。本施設は様々なスポーツを楽しむことができる体育室や、緑豊かなせせらぎ公園を眺めながら利用できるトレーニングルームを有しております。また、防災力の強化につながる地区備蓄倉庫を備え、災害時には補完避難所として地域の防災拠点としての役割も担います。施設の開設を契機に、区民の皆様がスポーツや健康づくりに親しむことはもとより、地域の一層の活性化にもつなげてまいります。次に、大森北四丁目複合施設、スマイル大森の開館についてでございます。 地域から愛され、多くの区民の皆様が集い交流できる新たなランドマークとして、スマイル大森が12月1日 日曜日にオープンいたします。 スマイル大森は、演奏会・講演会等を行うことができる「多目的ホール」、合唱・バンド練習ができ、中学生から利用可能な「音楽スタジオ」、施設利用者をはじめ、地域の方が気軽に集い、多世代交流ができる「オープンスペース」の機能などを有しており、広く区民の皆様の主体的な文化活動、地域活動、生涯学習、相互交流等を推進してまいります。また、入新井第一小学校に併設しているほか、地域包括支援センター、シニアステーション、つばさ大森教室、男女平等推進センター「エセナおおた」、そして消防団分団本部の機能を有しており、学校教育機能や各施設機能の連携を図ってまいります。なお、今後Ⅱ期工事において、子育て支援施設、地区備蓄倉庫等を整備する予定です。 開館日である12月1日には、オープニングセレモニーとイベントを実施いたします。オープニングセレモニーでは、テープカット、愛称命名者への表彰状授与、入新井第一小学校の児童による記念演奏を予定しております。午後1時から行うオープニングイベントでは、スタンプラリー、ワークショップ、演奏会等を予定しております。ぜひ皆様のご参加をお待ちしております。 今後、人と人、地域をつなぎ、幅広い世代の交流とにぎわいをもたらす新たな拠点として、地域力の更なる醸成を図ってまいります。
次に、今月2日・3日の両日、今回で35回目となる「OTAふれあいフェスタ2024」を開催いたしました。 初日はあいにくの雨模様で、オープニングセレモニーを急遽、屋内で行うことになり、ステージやアトラクションが中止になるものもありましたが、2日目はすばらしい秋晴れとなり、2日間で約15万人の方々にご来場いただきました。今年もボートレース平和島の改修工事のため、ふるさとの浜辺エリアをメイン会場として、フェスタ名物のみこしが練り歩く「OTAパレード」や、6年ぶりに復活した舟運企画の「フェスタクルーズ」を実施しました。そのほか、太陽のエリアでは「ふわふわトランポリン」、緑のエリアでは「大道芸」や大田区の人気給食メニューの「たこぺったん」の販売を実施するなど、様々な催しによって、各エリアで多くの来場者の皆様が楽しく過ごされている姿が見られました。特にお子さま連れのファミリー層の来場が多く、子どもたちの笑顔をたくさん見ることができ大変うれしく思います。「地域のふれあい」と「交流の輪」を基本テーマとしたフェスタを通じて、区内外に大田区の魅力を発信し、参加された皆様に一時でも楽しい時間をお過ごしていただけたものと思います。 今後も、区の魅力の発信・シティプロモーションの一助となるよう工夫をしてまいります。また、OTAふれあいフェスタと時を同じくして羽田イノベーションシティでは、今月1日から3日にかけて、グランドオープン1周年記念イベントが開催されました。今回のイベントでは、HICityらしいロボットなどの先端技術を体験できる企画や区内まち工場の廃材等を用いたアート展示などの多彩なコンテンツに加え、HICityとOTAふれあいフェスタ会場とを結ぶ区内周遊バスの運行やスタンプラリーでの連携など、区内の回遊性や相乗効果を意識した取組が盛り込まれ、1万2,500人あまりの方々にご来場いただきました。 今後も、区内の様々なイベントや資源と連携し、更なるHICityの活性化と区内波及の創出に向け、運営事業者とともに取り組んでまいります。
次に、先日24日、大田文化の森において「第75回大田区野菜と花の品評会」を開催いたしました。今回も野菜や果実、花き・鉢物で48品目、計277点の幅広い出品をいただき、今年度より最優秀賞から名称が変わった大田区長賞には、昨年に引き続き馬込のシクラメンを選ばせていただき、都知事賞にはジャンボピーマンが選ばれるなど、合計75点が入賞いたしました。出品された作物については、当日の即売会で販売をいたしました。今年も大変多くの区民の皆様にお越しいただき、営農者と区民の皆様が交流をしながら手にとって購入していただく姿が印象的でした。営農者の方々の日々丹精込めた取組を専門家の皆様に評価していただき、大田区の農業を広く区民の皆様に知っていただく、このような農家と区民の皆様が触れ合える機会創出についても農業振興の一環として引き続き積極的に取り組んでまいります。
次に、福祉施策についてでございます。 区内の高齢者施設や障がい者施設で、今年も夏から秋にかけて、施設まつりが開催され、私自身も多くの施設まつりに参加させていただきました。おまつりでは、施設の利用者の皆様がイベントを楽しまれている姿や、地域の方やボランティアの方々が笑顔で交流していた姿がとても印象的で、大田区の地域力とともに、人と人がつながることの素晴らしさをあらためて実感しております。これからも、こうした交流の機会を積み重ねていくことにより、障がいへの理解はもちろん、人と人がつながることで喜びを感じられる、笑顔とあたたかさあふれる「大田区らしい地域共生社会」の実現につなげてまいります。今後、少子高齢化がより顕著なものとなり、8050問題や老々介護など、福祉現場を取り巻く課題は、複合かつ多様化していくことが見込まれております。そうした中、区民の皆様がいつまでも自分らしく、人生を前向きに安心して暮らすためには、安定的に提供される福祉サービスが重要であり、福祉現場で従事してくださっている多くの方々が、安心して働ける環境を整備することは必要不可欠であります。現在、社会的課題となっているカスタマー・ハラスメント、いわゆる「カスハラ」対策について、去る10月4日、東京都議会本会議で「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が可決、成立いたしました。 区におきましても、介護に携わってくださっている各事業所の方々から、カスハラについて切実なご意見・ご要望を頂いております。介護をはじめとした福祉サービスは、区民生活や健康維持に欠かせないことから、一方的に提供を控えることができないため、カスハラへの対応が特に難しい実情もあり、福祉現場におけるカスハラ対策は、喫緊の課題と考えています。 区といたしましては、引き続き、福祉現場におけるカスハラ対策の取組を進め、福祉従事者の方々が安心して働ける環境整備を図ってまいります。
本定例会に提出いたしました案件は、令和6年度 一般会計補正予算(第3次)のほか、条例議案9件、その他議案14件、報告議案10件でございます。本補正予算案では、多摩川緑地運動場等の災害復旧に係る経費など、第2次補正予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するための予算を計上いたしました。補正予算案の規模は2億98万2千円となり、既定の予算と合わせた補正後の予算額は3,505億3,390万円となっております。提出議案につきましては、いずれも後ほど上程いただいた際、順次ご説明させていただきますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願いを申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
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