令和6年第1回大田区議会定例会 区長開会あいさつ

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更新日:2024年2月16日

 本日、令和6年第1回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。本定例会の開会に当たり、本年における私の区政運営に関する施政方針を申し上げます。
 はじめに、1月1日に石川県を中心に発生した令和6年能登半島地震により大きな被害が出ております。お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。発災から1か月半が経とうとしておりますが、被災地では、未だ約1万3千人が避難生活を余儀なくされ、断水の解消をはじめインフラの復旧にはまだなお時間を要する見込みであるなど、大変不自由な生活を強いられている状況です。発災以降、区では、対口支援の枠組みの中で被災地からの要請があり次第、迅速に支援できるよう、準備を整えてきたほか、本庁舎1階総合受付及び各特別出張所にて義援金の受付を行ってまいりました。1月18日には、石川県知事から広域避難者に係る救助に関する依頼が発出されたことを踏まえ、準備体制から被災地支援本部へ移行させ、この間、全庁一丸となってあらゆる観点から支援に係る検討・調整を行ってきたほか、今月に入ってからは、物的支援として、石川県へ救援物資のアルファ化米1万800食の発送を、人的支援として、東京都の対口支援先である輪島市へ職員の派遣を、それぞれ行いました。今後も、被災者・被災地に寄り添って、国・東京都・各関係機関とも連携、情報共有しながら取り組んでまいります。私は着任以来、東京消防庁・警視庁・陸上自衛隊といった関係機関との合同訓練等を通じ、防災対策の強化を図ってまいりました。その中で、災害対応の困難さや山積する課題を感じ、適時、対策を指示してまいりましたが、今回の能登半島地震を受けて、区民の命を守る、基礎自治体の役割の重要性を一層認識いたしました。令和5年6月に実施した「大田区政に対する世論調査」における区の施策に対する要望では、防災対策を求める回答が6割近くあり、様々な施策の中で第一位となるなど、区民の防災への関心の高さがうかがえます。また、近年では、気候変動の影響により頻発化・激甚化する風水害や、社会状況の変化に伴い、新たな課題も重みを増している首都直下地震など、災害はいつ起きてもおかしくなく、複合的な発生リスクもあります。こうしたリスクへ対応できるよう、危機管理室を中心に全庁で「危機管理体制」の抜本的な見直しを進めていたところ、最大の懸案事項でもありました、災害時の物流体制について、改善の方向性が見えてきたため、今年度の「災害対策本部運営訓練」において検証することとし、昨年来から準備を進めてまいりました。このような中、元日に能登半島地震が発生し、奇しくも本訓練で準備したシナリオが現実のものとなったことから、1月31日の災害対策本部運営訓練においては、能登半島地震の教訓を取り入れ、より実効性のある「災害時物流体制」の実現につながる極めて意義のある訓練を行うことができました。区の抱える防災上の課題は山積しておりますが、私は前例にとらわれることなく、区民の生命と財産を守る区長として、想定される最大規模の災害にも対応できる、大田区の新たな危機管理体制を構築してまいります。 
 次に、新たな大田区基本構想についてでございます。昨年、12月19日に最後の基本構想審議会を開催し、その後、12月21日に審議会から答申を受けました。区議会からも、議長・副議長をはじめ、9名もの区議会議員の皆様に、審議会にご参加いただいたことを、この場をお借りして御礼を申し上げます。審議会の答申の後、基本構想を素案としてとりまとめ、パブリックコメントを実施いたしました。 いただいた貴重なご意見につきましては、しっかりと受け止めさせていただいた上で、議案として提出しております。本区議会定例会にて、基本構想をご審議いただき、無事承認をいただくことができた暁には、大田区に関わるすべての人々と今後のまちづくりの方向性を共有することができるよう、広く公表してまいります。基本構想の公表後につきましては、速やかに新たな基本計画策定に着手し、基本構想で描いた将来像の実現に向けた取組を、スピード感を持って進めてまいります。新たな羅針盤を手に、多くの方々から選ばれる魅力的な大田区をつくり上げていくことができるよう全力を尽くしてまいりますので、皆様、何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
 次に、防災まちづくりの促進についてでございます。大田区は、公園やまちなかに点在するみどり、多摩川に代表される親水空間、にぎやかな商店街と閑静な住宅街、高い技術を誇る工場など、個性豊かな街並みを形成しています。そのため、東京の縮図と言われる大田区においては、地形やまちの形成状況を踏まえた総合的な防災対策が求められております。区は、これまで地震や風水害などの災害に備え、幅広い対策の充実を図るため、区民の皆様のご協力を得ながら、様々なルール作りや助成制度等により、災害に強いまちづくりを進めてきました。このような取組により、区内の状況は改善しておりますが、令和4年5月に東京都から発表された「首都直下地震等による東京の被害想定」では、依然として大きい被害が想定されております。また、防災への対応は、多くの時間とコストを要することから、計画的・継続的に取組を進めながら、社会状況に合わせた不断の見直しが必要となります。併せて、将来の社会経済情勢の大きな変化に的確に対応するためにも、災害によるリスクを一定の範囲で抑えることができる都市を目指し、取組のレベルアップも必要となります。自然災害の危機に直面する中にあっても、都市機能の早期回復の観点や、こどもや高齢者など配慮を要する人々への包摂的な視点を持ち、国、東京都、事業者、区民、各種団体等と連携した防災への取組により、区民の生命と財産を守り、次の世代へ確実に引き継ぐまちづくりを促進してまいります。
 次に、SDGsの推進についてでございます。SDGs未来都市選定を契機に、区民・企業・職員等、多様な主体のSDGsに関する行動変容を一層促し、さらなる普及啓発を図っていくためのシンボルとなる、大田区オリジナルのSDGsロゴマークについて、公募、区民投票等を経て、1月4日新春のつどいで発表させていただきました。1月21日には、ロゴマークの採用作品の作成者である大森第七中学校2年生の高橋麻衣さんをお招きし、授賞式を行いました。記念品として、高度な技術力を有する区内のものづくり企業が、まさに仲間まわしによって技術を結集し製作した、実に大田区らしいオブジェを贈呈させていただきました。今回、作成者の高橋さんをはじめ、区の未来を担う多くの若い方々を中心にロゴマークのデザイン案を応募いただいたことは大変うれしく、また頼もしく感じました。今後、このオリジナルロゴマークを活用し、SDGsの機運醸成を区内の隅々まで図るとともに、幅広い世代がSDGsについて学ぶことができる企画やSDGs未来都市計画の推進など、オールおおたでSDGs達成に向けた取組を一層推進してまいります。また、1月31日にはSDGsの推進に関する連携協定を締結している株式会社リコー及びリコージャパン株式会社とともに、次世代太陽電池ペロブスカイトの実証実験を馬込第三小学校で開始いたしました。ペロブスカイト設置場所には、実証実験中であることを示す横断幕も設置し、温度や湿度などのリアルタイムデータも、ホームページから見られるようになっています。今後、実証実験を通じて、この最先端技術を区内での実装につなげていき、SDGsの達成に向けて大きく前進していきたいと考えます。そして、最先端技術であるペロブスカイトを、未来を担う小学生のこども達に触れてもらうとともに、こども達の次世代太陽電池・エネルギーへの関心が高まるような取組につなげられるよう、リコー、リコージャパン様にご協力いただく形で、区立学校への出前授業なども行っていく予定でございます。今後も引き続き、区とリコー、リコージャパン様とはお互いの資源や強み、ノウハウを連携させ、SDGsの普及啓発及び達成に向けた取組を加速化させてまいります。
 次に、環境施策の取組についてでございます。環境分野においては、現在、環境負荷を抑えたエネルギー開発や資源の有効活用が喫緊の課題となっております。また、地球規模で急激に進行している気候変動は、自然環境にも深刻な影響を及ぼしています。区は、現在策定中である第二次環境基本計画において、脱炭素、資源循環、自然共生社会、この3要素を軸として、区民の皆様からご意見をいただきながら策定を進めております。様々な環境課題に対し、区民、事業者の皆様に「見える化」していくことで、積極果敢に行動を実践し、計画に反映させてまいります。SDGs未来都市大田区にふさわしく、環境と産業が両立し、活気と賑わいのある、持続可能な環境先進都市大田の実現を目指してまいります。
 次に、(仮称)大田区子ども家庭総合支援センターの整備についてでございます。区は、平成28年5月の児童福祉法の改正を踏まえ、こどもと家庭の支援体制を強化するため、区立児童相談所の設置を目指すこととし、子ども家庭支援センターと一体となった「(仮称)子ども家庭総合支援センター」の整備を進めてまいりました。開設にあたり、こども達の安全安心の確保を最優先とする考えのもと、東京都等の児童相談所等に区職員を派遣し、人材育成を図ってきたほか、開設後を見据えて区内児童養護施設や里親をはじめ関係機関との連携体制を構築するとともに、今年度には大森西地区での施設整備に着手し、令和8年度中に開設する予定として計画的に進めてまいりました。一方、令和5年度末時点で8区が開設し、今後も複数区が開設を目指している状況もあり、中長期的な児童相談所の担い手となる専門職の確保、育成に向けて、「大田区児童相談所人材確保・育成計画」を策定し、鋭意取り組んできたところでございます。このような中、こども達の大切な命をお預かりする本事業をより安定的に、そして確かなものとするため、熟慮を続けていたところ、昨年東京都から、「品川区立児童相談所が令和6年度開設されること、大田区は単独で児童相談所を設置する規模であること、今後の人材育成や東京都全体の児童相談所の体制を見据え、大田区を区域とする都立児童相談所の設置を考慮することになる。そのため、大田区の考えを伺いたい」との話がございました。これを受け、区長として熟慮を重ねた結果、現段階では、区の状況にもっとも合った新たなモデルとして、区が整備を進めている「(仮称)大田区こども家庭総合支援センター」の下で、東京都立児童相談所と区立子ども家庭支援センターとが一体的な運用体制を構築し、地域の支援をより充実させていくことが、こども達の安全安心にとって最適な方策の1つであるという結論にいたりました。区として準備を進めてきたところですが、これまでの東京都の経験と、地域力を背景とした区の子育て支援の強みを融合することは、その相乗効果により人材の有効活用を含め、さらなる子育て環境の向上に資する方策であると考えています。区は、令和8年度中の開設に向けて準備を進め、こども達の安全安心の確保を最優先におきながら、引き続き、地域に根差した虐待の未然防止から専門的支援を切れ目なく実施し、こどもと家庭の総合的な支援が実施できるようしっかり東京都と協議を進めてまいります。
 次に、大田区らしい「地域共生社会の実現」に向けた取組についてでございます。新たな大田区基本構想で描いた将来像や基本目標を達成するため、福祉分野においては、現在、令和6年度を始期とする「大田区地域福祉計画」、「おおた高齢者施策推進プラン」及び「おおた障がい施策推進プラン」の策定を進めており、昨年末に区民説明会、パブリックコメントを実施し、区民の皆様から貴重なご意見を多数いただきました。また、策定の過程では、各計画それぞれの推進会議の委員の皆様から多くのご提言や取組事例のご報告をいただき、ボランティアやこども食堂をはじめ、区内の福祉を支える様々な活動が地域で活発に行われていることをあらためて認識いたしました。こうした区民の皆様一人ひとりの力を源とする「地域力」をより高め、お互いの個性を尊重し、支え合うことで、多様な個性が輝き、誰もが豊かに暮らし続けることができる地域共生社会を目指し、区民・事業者の皆様とともに、地域福祉の取組を一層推進してまいります。地域共生社会の実現のためには、区民の皆様一人ひとりの尊厳の保持が大切です。ひとり暮らし高齢者や認知症高齢者の増加が見込まれる中、区は老いじたく推進事業に力を入れてきましたが、いざという時に、老いじたくに関する情報がわからず、ご本人の意思を実現できないという課題がありました。そこで区は、来年度から、ご本人の希望に応じて老いじたくに関する情報が支援機関や関係者に伝えられる仕組みを整え、ご登録いただいた方の意思の実現を支援する事業を実施いたします。また、区では高齢者のみならず、障がいのある方も含め、ご本人の意思決定支援を重視した、次期「大田区成年後見制度等利用促進基本計画」を策定しています。成年後見制度をはじめとした権利擁護支援を浸透させ、住み慣れた地域で尊厳のある本人らしい暮らしを続けられるよう、地域連携ネットワークを強化してまいります。今年度から本格実施している重層的支援体制整備事業では、支援者らで構成する重層的支援会議を中心に困難事例を共有し、庁内のみならず、民間の事業所との多機関連携の強化が図られています。さらに、世帯を単位として各支援者が多角的に検討することにより、支援力の向上に繋がっています。それぞれの専門職の専門性を相互に活かしたチーム支援をより進めるため、庁内の専門職の強みを一層発揮できる体制を整えてまいります。一方、福祉人材の確保は喫緊の課題でございます。昨年12月、区は大田区介護保険サービス団体連絡会との共同主催により「おおた福祉フェス」を開催し、私も参加いたしました。当日は、区内介護従事者の方々で構成される実行委員の皆様やボランティアの方々が、車いす体験など様々なブースを盛り上げていただき、多くの来場者に介護の仕事の魅力をPRいたしました。来月には、区内の特別養護老人ホーム等の施設で組織する大田区特養・養護施設長会が実施する就職相談会を、区役所本庁舎で初めて開催いたします。また、来年度から区内の元気高齢者と区内福祉事業所の就労マッチングの仕組みを整備する介護助手支援事業を新規に実施いたします。介護職員の確保・定着を進めるとともに、元気高齢者の社会参加の機会を提供してまいります。さらに、奨学金の分野においても、福祉人材の確保の観点から福祉人材確保奨学金制度を拡充します。より多くの方が区内で福祉職として従事していただけるよう、区独自で実施している貸付型奨学金について、その返還を支援いたします。こうした取組の裾野を拡げるとともに、区は様々な手段を講じ、福祉従事者の区内定住を図り、「おおたの福祉」を持続可能なものとしてまいります。これらの一連の取組を力強く推進し、こどもから高齢者まで、すべての区民の方々が地域で安心した生活を送ることのできる、笑顔とあたたかさあふれる、大田区らしい地域共生社会を実現してまいります。
 次に、龍子記念館では、現在、地域連携企画展「川端龍子の作品とともに観る大田区美術家協会の現在」を開催しております。令和2年度に開催してから、今回が第2回目となる地域連携企画展では、日本画の展示を主体としている龍子記念館において、大田区美術家協会との連携により、日本画、洋画、立体といった表現方法にとらわれず、所蔵する川端龍子の作品と大田区を拠点にする40名以上の美術家の作品をコラボレーションしています。川端龍子が文化勲章を受章した年に描いた大作「筏流し」等とともに、豪華絢爛な作品で初春を彩ります。また、2月24日には学芸員と出品作家とのトークによる講演会「大田区美術家協会の現在」が開催され、30年以上にわたって大田区の美術文化を盛り上げてきた大田区美術家協会の活動を紹介します。龍子と美術家たちの競演をお楽しみいただきつつ、大田区独自の魅力的な文化に触れていただければと思います。
 続きまして、令和6年度予算(案)についてご説明いたします。まず、最近の国内の経済状況ですが、先月公表された月例経済報告の基調判断では、「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している」とし、国内の景気判断は維持されましたが、先行きについては、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要があると明記されました。個別項目では、輸出に関して「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に引き下げられましたが、個人消費については「持ち直している」との文言を据え置いている状況にございます。また、世界銀行による世界経済の成長率見通しは、2024年は2.4%と23年の2.6%から低下し、3年連続で減速する見通しです。要因として、世界各国の中央銀行による金融引き締めの影響が広がることや、今後の下振れリスクとしてロシアによるウクライナ侵攻や中東での軍事衝突の激化によるエネルギー価格の高騰などが挙げられております。2023年にインバウンド需要などで成長率が1.8%となった日本は2024年には外需の落ち込みを反映し、0.9%に減速する見通しとなっており、引き続き国際情勢を注視していく必要がございます。そのような状況の中、今後の区財政の見通しは、子育て支援策や超高齢社会への対応、公共施設の維持更新、重要な成長戦略となる社会資本の整備など多くの行政需要を抱えるなか、先行き不透明な景気動向や国による不合理な税制改正等の影響も受け、歳出に対し歳入が不足する厳しい財政環境が継続することが想定されます。このような認識のもと、令和6年度は、「新しいおおたの次代への架け橋となる予算 ~SDGs未来都市としての挑戦~」と位置づけ、区民に身近な基礎自治体として地域特性を踏まえた施策の構築に向け、特に優先的に取り組むこととする、令和6年度予算編成上の4つの重点ポイントを掲げました。1つ目は、「出産・子育て、教育の充実に向けた施策」、2つ目に、「安全・安心で包摂的な共生社会の実現に向けた施策」、3つ目は、「環境と地域経済がともに発展する未来へ繋ぐ都市力を高める施策」、4つ目が「ポストコロナ時代に健康で活力、豊かさを高める施策」でございます。これらの課題に優先的に対応するとともに、区財政を取り巻く状況を十分認識し、区に求められる重要な施策の選択肢を狭めることなく、限りある経営資源を効果的・効率的に配分し、未来志向の戦略的な投資を着実に進めてまいります。令和6年度一般会計の予算規模は、3,412億9百万円余で、前年度比約264億円、8.4%増となる予算といたしました。歳入については、特別区税は、特別区民税等の増収を見込んだ結果、前年度比で4.4%増の819億円、特別区交付金は、企業収益が堅調に推移していることなどにより、前年度比4.4%増の832億円となっております。一方、歳出では、新たな基本計画策定までの間、着実に区政を運営し、基本構想の実現に向けた最初の歩みを進めるため、「新おおた重点プログラム」を1年延長し、その中で、基本構想で掲げた将来像や基本目標の実現を先導的に推進する取組を「リーディングプロジェクト」として位置づけ、1,025億円余の予算を計上いたしました。私は、この令和6年度予算(案)によりまして、持続可能な自治体経営を推進しつつ、区民福祉の向上に努め、誰もが安心して暮らすことができる、笑顔とあたたかさあふれる大田区の未来を築いてまいります。
 次に、令和6年度予算(案)に盛り込みました主な事業について、4つの重点ポイントごとにご説明申し上げます。重点ポイントの1つ目、「出産・子育て、教育の充実に向けた施策」では、こどもたちが笑顔で元気に育つ明るい未来に向け、子育て世帯等への支援を充実します。また、グローバル人材の育成や一人ひとりのこどもの可能性を最大限に引き出す学びを支えるとともに、区立小中学校の給食費無償化など、区民生活の実情を踏まえた施策も柔軟に展開してまいります。重点ポイントの2つ目、「安全・安心で包摂的な共生社会の実現に向けた施策」では、首都直下地震をはじめとする災害への着実な備えや、区民の日常生活に欠かせない公共施設や道路・橋梁など都市基盤施設の維持更新など、安全・安心を実感できる強靱なまちづくりを推進するとともに、誰もが個性を活かして活躍できる共生の地域づくりを進めてまいります。重点ポイントの3つ目、「環境と地域経済がともに発展する未来へ繋ぐ都市力を高める施策」では、SDGs未来都市として、2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会への歩みを着実に進め、持続可能な経済・環境・社会の実現に資するふさわしい施策を力強く実践してまいります。また、産業集積の維持・発展と新たな産業・サービスが生み出され発展するまちづくりを進めるとともに、利便性の高い交通ネットワークや住み続けたい住環境の整備など、選ばれる都市の実現に向けた施策を展開してまいります。重点ポイントの4つ目、「ポストコロナ時代に健康で活力、豊かさを高める施策」では、スポーツや文化活動を通じ、心身ともに豊かな暮らしを実感できる施策を推進するとともに、行政手続きのオンライン化を進め、便利で快適な地域社会の実現に資する施策を加速してまいります。以上、令和6年度予算(案)の主な事業についてご説明をさせていただきました。
 本定例会に提出いたしました案件は、予算関係では先ほどご説明をいたしました令和6年度予算(案)のほか、令和5年度一般会計補正予算第5次・6次などの予算議案が計9件、条例議案34件、その他議案10件、報告議案10件でございます。議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願いを申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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