令和6年第2回大田区議会定例会 区長開会あいさつ
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更新日:2024年6月19日
令和6年6月19日
本日、令和6年第2回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。6月も後半に差し掛かり、今年も半分が過ぎようとする中、初夏の陽気とともにアジサイなどの花々も見頃を迎え、ようやく東京も梅雨入りとなる予報です。梅雨は育む季節でもあります。大田区がこれからも持続的に大きく成長できるよう、私も区長として引き続き区内の隅々まで歩き、地域の皆様とお話をさせて頂きながら、必要とされる様々な施策の推進に向け、日々努力を重ねてまいります。
さて、現在、新たな大田区基本計画・実施計画について、策定に向けた検討を行っているところでございますが、これらの計画は全ての行政分野に係る施策体系を総合的に構築し、めざす姿に向けた取組を着実に推進するための道標となる行政計画であり、区にとって極めて重要な計画でございます。先月31日に、公募区民、団体代表、学識経験者、有識者、区議会議員の皆様で構成する基本計画懇談会の初回を開催し、計画の構成や期間等、基本的な考え方について貴重なご意見を多数頂戴いたしました。今後、分野ごとに開催する専門部会において、より具体的な内容についての検討を進めてまいります。また、懇談会での議論に加え、より広く区民の皆様に基本計画の策定に参画いただくため、現在、基本計画に関するワークショップにご参加いただける方を募集しております。区民の皆様にもディスカッションをしていただき、施策、事業に係る検討の参考にさせていただければと考えております。基本構想に掲げる大田区の将来像の実現に向け、より実効性の高い基本計画・実施計画とするため、引き続き、多くの方々のご意見を伺いながら、検討を深めてまいります。
次にSDGsに関する取組についてでございます。先月13日、東京商工会議所 大田支部会員交流委員会・青年部主催の特別企画「川崎市・大田区連携次世代経営者交流会」に参加し、「SDGs 川崎・羽田臨海部のイノベーション」をテーマに、「川崎市・大田区で連携した次世代に向けた取り組み」について、羽田イノベーションシティにて、福田紀彦川崎市長と対談を行いました。羽田イノベーションシティでは、令和2年のまち開き以降、このまちを舞台に自動運転バスやロボットの社会実装に向けた実証実験をはじめ、多くの企業が研究開発等に取り組んでまいりました。また、昨年11月のグランドオープンを契機に、先端医療研究センターや新たな研究開発拠点などが加わり、新産業創造・発信拠点としての機能をより一層発揮する基盤が完成いたしました。これまで以上に交流の機会が生まれ、新たなビジネスやイノベーションが創造されることで、区内産業はもとより、国内外に対する波及効果を生み出していけるよう、引き続き緊密な公民連携のもと、積極的に取り組んでまいります。将来を見通すことが困難な時代の中、そのピンチをチャンスに変えていく、この羽田発でイノベーションを起こし、新しい技術を生み出し、社会を変革していく。そのために、これまで以上に川崎市のキングスカイフロントや隣接する羽田エアポートガーデンとも緊密な連携を推進しつつ、より一層エリア一帯を盛り上げ、共に成長を続けられるよう、まい進してまいります。
次に、先月25日・26日に、イトーヨーカドー大森店で子育て世帯を対象にした「大田区ナナハト学校」を開催いたしました。大田区ナナハト学校は、大田区、イトーヨーカドー大森店、セブン-イレブン・ジャパンの三者連携で昨年から始めたイベントで、「ナナ」はセブンイレブン、「ハト」はイトーヨーカドーを表しており、今回で4回目の開催となります。三者で始めたイベントではございますが、回を重ねるごとに参加する企業や団体が増え、今回は東邦大学や花王グループ、大田スポーツコミッションにもご参加いただきました。当日は、民間企業や大学ならではの魅力的なコンテンツを多くのご家族に経験・体験いただける貴重な機会になったと思います。特に区のSDGsの普及啓発ブースでは、イトーヨーカドー大森店の廃棄野菜に絵の具を付けて、お花アートを描いていただくことで、保護者の方とともにSDGsについて理解を深めるきっかけとなる催しを実施いたしました。大変多くのご家族にお越しいただき、お子様が自由な発想でオリジナルのお花アートを描いていた様子がとても印象的であり、SDGsを一層推進していく上で非常に有意義な取組であったと感じております。
今後も、区はSDGs未来都市として、民間企業等が保有する多様なコンテンツを、区民が大田区で体験・経験できるよう、公民連携の取組を積極的に進めてまいります。その他の取組として、昨年度、SDGs未来都市選定を契機に、区民・企業・関係団体等、多様な主体のSDGsに関する行動変容を一層促し、具体的な取組につなげていくことが重要と考え、大田区オリジナルのSDGsロゴマークを作成し、このロゴマークをあしらったピンバッジを作成したところでございます。この度、大田区オリジナルSDGsロゴマークをより多くの区民の方に知っていただき、SDGsに取り組むきっかけとなる一つのツールとして活用いただけるよう、オリジナルロゴマークピンバッジの販売を区役所本庁舎2階区政情報コーナー、各特別出張所にて開始しております。また、現在、区のSDGs未来都市選定を受け、本庁舎正面入り口や庁舎内1階等に環境にやさしい素材を用いたPRステッカーを掲示しておりますが、これに加えて新たに、より多くの通行人が目にする本庁舎北側壁面にもステッカーを掲示いたしました。こうしたツールも活用しながら、引き続き、区民・企業等あらゆる関係者の方々と一体となって、SDGsの達成に向けて様々な取組を積極的に進めてまいります。
次に、資源プラスチック回収事業についてでございます。SDGs未来都市として環境先進都市を目指す本区では、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」を踏まえるとともに、地球温暖化対策の観点などから、温室効果ガス削減、資源循環型社会の実現に向けて、令和4年11月からプラスチックを資源として回収する取組を段階的に進めております。現在は区内の約3分の1にあたる約12万世帯まで対象を広げるとともに、対象地域においては、新たな資源の回収日として「プラスチックの日」、いわゆる「プラの日」を設けております。おかげ様をもちまして、区民の皆様のご理解とご協力をいただく中で、プラスチックの回収率は着実に向上し、再資源化に結び付いていることで、本区の環境施策を具現化する代表的な事業の一つになりつつあります。この間、更なるエリア拡大にむけて鋭意取り組んできた結果、来年の令和7年4月からは「区内全域」においてプラスチックの資源回収を実施できる見込みとなりました。特別区において、本区のような大規模区での資源プラスチック全域回収は先駆的な取組となります。一方で、エリア拡大に伴い回収車両は増えることとなりますが、現在、回収車にタブレット端末を搭載して回収量などのデータを日々蓄積させ、システム解析を通じて最適ルートを算出するなど、DXを活用した効率的な事業展開を戦略的に進めております。その結果、増加する車両も当初の想定より抑制できる見込みが立つなど、環境負荷の面だけでなく、費用面からも「グリーン・バイ・デジタル」による取組を積極的に進めております。着実な全区展開に向けて、今後は区民への周知もしっかりと行ってまいります。基本構想に掲げた「豊かな環境と産業の活力で持続的に発展するまち」の達成を目指して、資源プラスチック回収事業を始めとしたさまざまな環境事業を全力で推進しつつ、事業の見える化にしっかり取り組んでいくことで、大田区政を支える「環境力」を一層高めてまいります。
次に、多様性と包摂性のある「大田区らしい地域共生社会」の実現に向けた取組についてでございます。新たな基本構想では、2040年ごろの大田区のめざすべき将来像を提示していますが、2025年には団塊の世代が後期高齢者、また、来る2040年には、団塊ジュニア世代が高齢者となり、少子高齢化の進行がより顕著なものとなることが見込まれております。更に、病気や障がい、8050問題、老老介護、生活困窮、社会的な孤立の問題など、世帯が抱える課題は複合かつ多様化しております。こうした課題に的確に対応するため、福祉分野においては、第二期となる「大田区成年後見制度等 利用促進基本計画」を含む「大田区地域福祉計画」、「おおた高齢者施策推進プラン」及び「おおた障がい施策推進プラン」を令和5年度末に策定いたしました。今年度が各計画期間の初年度となりますが、持続可能な地域社会の実現に向け、区では、私が本部長となる「大田区地域共生社会推進本部」や、重層的支援体制 整備事業の実施など、全庁一丸となった体制を構築しています。加えて、今年度から福祉部地域福祉課に、精神疾患のある方への相談機能を移管するとともに、多機関 連携調整 担当係長を新設し、包括的支援体制の更なる強化を図っております。引き続き、区はもとより、区と車の両輪として住民福祉の向上を担う大田区社会福祉協議会を含めた関係団体や地域住民など、多様な主体同士が連携を深め、分野や世代を超えたきめ細やかな支援体制を構築し、高齢者・障がい者・こども・生活困窮者など、すべての区民への切れ目のない支援を行うことで、地域福祉の取組を着実に進めてまいります。厚生労働省は5月8日、65歳以上の高齢者がピークを迎える2040年に、認知症高齢者が584万人、認知症予備軍とされる軽度認知障害の方が613万人に上るとの推計結果を公表いたしました。この推計によると、65歳以上の7人に1人が認知症になることとなり、依然として予防や治療体制の強化が求められます。区では、これまで、70歳と75歳になる高齢者全員に無料で認知症検診を受診していただける通知をお送りして、認知症に関する知識の普及啓発や認知症の早期発見、早期対応を図ってまいりましたが、こうした状況を踏まえ、今年度、更なる認知症対策の充実を図るため、65歳以上80歳以下の希望する高齢者の方も検診を受けていただけるようにさせていただきます。誰もが住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けるために、本人主体の意思決定支援の浸透を図りながら、互いに支えあうことができる地域づくりを進めることで、地域における権利擁護支援体制を強化してまいります。また、区では、「人生100年時代」と言われる今日、区民の方がいつまでも人生を前向きに安心して暮らしていただくことを目的として「老いじたく推進事業」を実施しておりますが、従前の事業に加え、来月から新たに「老いじたく情報登録事業」を開始する予定です。こうした取組を一歩ずつ、着実に前に進めていくとともに、誰もが安心して生活できる地域づくりを推進し、区民・地域団体などの皆様と一体となって、「大田区らしい地域共生社会」を実現してまいります。
最後に、令和5年度の決算速報値がまとまりましたので、その概要についてご報告をさせていただきます。一般会計におきましては、歳入は3,162億4,738万円余、収入率は96.46%、歳出は3,129億4,274万円余となり、繰越明許費を差し引きました実質収支は27億1,124万円余となります。詳細につきましては、第3回定例会におきましてご報告を申し上げ、ご審議を賜りたく存じますので、よろしくお願い申し上げます。
本定例会に提出いたしました案件は、条例議案6件、その他議6件、報告議案10件でございます。条例議案関係では、職員の退職管理に関する条例などを提出しております。提出議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願いを申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
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