令和6年第2回大田区議会臨時会 区長開会あいさつ

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更新日:2024年5月27日

令和6年5月24日

 本日、令和6年第2回大田区議会臨時会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 本年3月に策定した新たな基本構想におきまして、将来像「心やすらぎ 未来へはばたく 笑顔のまち 大田区」を掲げたことにより、大田区に関わる全ての方々の共通の目標が定まりました。基本構想の策定にあたっては、議会の皆様からも貴重なご意見を多数賜り、改めて御礼を申し上げます。昭和22年の大田区誕生から77年余りが経過する中、区の将来像が定められたのは、今回がわずか3回目であることを考えますと、一つの将来像が持つ重み、大切さを感じずにはいられません。同時に、これを区長として実現していくという大きな職責に、身の引き締まる思いでございます。区は今年度、構想を実現するための基本計画を策定してまいります。中長期的な視点を持った計画とする一方、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代、いわゆるVUCA(ブーカ)の時代にあっても新たな課題等に柔軟で的確に対応するための、しなやかさを併せ持った計画とすることが求められます。また、計画を着実に推進していくためには、区が有する限られた経営資源を最適化し、最大限に活用した、持続可能な自治体経営を実践することも欠かせません。「大田区に住んでいて良かった」、「これからも大田区に住み続けたい」と思っていただけるような、時流を捉えた質の高いサービスを提供することと、それを着実に実行するための体制を常に確保していくことが重要であります。今後は、これらを両立させる、実効性の高い計画を全庁が一丸となって策定してまいります。
 次に、熱中症対策の強化についてでございます。今年の夏の気温は全国的にも平均より高いことが予測されております。また、今年4月には気候変動適応法が改正され、熱中症対策が強化されました。これまで国は、熱中症の危険度を判断する暑さ指数WBGT(ダブリュビージーティ)が33以上では熱中症警戒アラートを発表していましたが、より深刻な健康被害発生に備え、新たに、暑さ指数WBGT(ダブリュビージーティ)が35以上では熱中症「特別」警戒アラートを発表し、この熱中症「特別」警戒アラートは、各区市町村から住民への周知が義務付けられました。発表の際は、区公式Xやラインなどにより広く周知をさせていただく予定です。また、暑さが本格化する前からの熱中症予防に取り組んでいただくため、熱中症警戒アラート運用期間の開始日である4月24日から、区ホームページトップに「熱中症に注意」の画面を設け、「予防」と「対策」の情報発信の強化に努めております。更に、暑さによる健康の被害が心配される高齢者の方などのために、今年は例年より前倒しの5月15日から、区内80か所に「涼み処」を開設しております。特に高齢者の熱中症予防では、民生委員の皆様や地域包括支援センターの職員が「ひとり暮らし高齢者」として登録している方の自宅を訪問し、エアコンの活用や水分補給の重要性などの啓発活動に取り組んでおります。
 また、こうした取組に加え、熱中症の危険から区民の命を守るための取組を更に強化するため、区は先月30日、東邦大学、大塚製薬と連携協定を締結いたしました。東邦大学は、地域医療の中核を担う大森病院を有しており、救急搬送される熱中症患者を受け入れられていることから、区内で起こる熱中症の状況を把握しております。大塚製薬は30年以上に渡り熱中症対策に取り組まれている企業です。区は、東邦大学や大塚製薬から助言や提案をいただくとともに、区を含む産官学の三者をコアとして、23区初となる大田区熱中症対策コンソーシアムを立ち上げ、他の民間企業等の協力も得ながら、区民の皆様を熱中症から守るため、引き続きオール大田で取り組んでまいります。
 次に、今月20日、区はあいおいニッセイ同和損保と包括連携協定を締結させていただきました。あいおいニッセイ同和損保は、最新技術により契約者の車の運転挙動を収集し、急発進・急減速が多い箇所を把握・データ化しております。こうした情報を提供いただき、区立保育園を始めとする子育て施設周辺や区立小・中学校を通じた児童・生徒の通学路等の交通安全への活用検討を進め、区民の皆様が安心して暮らすことができるまちづくりに役立ててまいります。また、多種目に渡るパラリンピアンを雇用していることから、パラリンピアンによる講演会やスポーツ体験会などで、障がい者理解やスポーツ振興につなげてまいります。今後も引き続き、複雑・多様化する地域課題に対応していくため、積極的に多様な主体との連携を進めてまいります。
 次に、関係機関との訓練を通じた防災対応力の強化についてでございます。今月20日、区で陸上自衛隊第1普通科連隊の無線通信訓練が実施されました。訓練では区役所本庁舎屋上に自衛隊無線機アンテナを設置し、陸上自衛隊 練馬駐屯地との電波受信状況を確認いたしました。いつ起こるか分からない大規模災害において、区と共同で救命救助に当たる陸上自衛隊の通信手段の確保に資する大変有意義な訓練です。区は引き続き、関係機関との連携を図り、防災対応力の強化に取り組んでまいります。
 次に、災害に強いまちづくりに関連して行っている、貮之橋(にのはし)の耐震整備に伴い、開桜小学校と連携した取組についてでございます。内川に架かる貮之橋については、令和2年に改訂した橋梁耐震整備計画に基づき、令和3年度から架替工事に着手しており、現在は周辺の舗装工事などを行っています。昨今の土木技術者の働き手が減少している中、若い世代に対して、土木・インフラへの興味や意識が高まるよう、隣接している開桜小学校に対して、現場見学会や出前講座を実施してまいりました。今月の22日には、同小学校の6年生を対象に「100年後の未来まであなたの名前をそこに刻もう」と題し、生徒に記名してもらったタイルを、貮之橋の柱に貼り付け体験していただく特別授業を行いました。私も実際に貼り付けを体験させていただき、こども達が楽しんでいる姿を見ることができ、うれしく思うとともに、この体験を通して橋を大切にする気持ちを育んでもらえればと感じました。今後も地域と連携した取組を行い、区民の土木・インフラへの意識向上を図って参ります。
 次に、入新井第一小学校に併設して整備を進めております、9月1日開館予定の大森北四丁目複合施設の愛称が決定いたしました。愛称は「スマイル大森」でございます。この愛称は、文字通り、複合施設を利用する大森地域をはじめとした大田区の皆様が笑顔になれるようにとの意味が込められております。愛称の決定にあたっては、入新井第一小学校に併設する施設特性を踏まえ、同校在学児童から募った全244作品の候補の中から選考を行いました。今回の応募においては「笑顔」に関連する提案が多数あり、本作はそうしたこども達の思いを反映しているとともに、本年3月に策定した新たな大田区基本構想の将来像に掲げる「笑顔のまち大田区」にも合致した愛称となっています。本施設は、多目的ホール等の区民活動施設のほか、男女平等推進センター、地域包括支援センター、シニアステーション、 つばさ教室、消防団分団本部などから成る大型複合施設です。国籍や年齢等を問わず、こどもから大人まで、誰もが健やかに笑顔で活動でき、地域に交流とにぎわいをもたらす大森地域の新たな拠点として、スマイル大森という愛称とともに、多くの方に親しまれる施設となるよう、9月1日の開館に向けて引き続き準備を進めてまいります。
 次に、先日5月16日、洗足池の「池月橋(いけづきはし)」を会場として「洗足池 春宵(しゅんしょう)の響(ひびき)」を開催しました。日本の伝統芸能を牽引する方々による笛や謡(うたい)といった優雅な音色や光による演出を行い、幻想的な雰囲気を体感していただきました。また、当日会場にお招きした国際都市おおた大使からお題をいただき、即興で演奏するオリジナル楽曲も披露し、会場にいた約1800名の観客にも大変好評でした。今後もこのような伝統文化や芸術を身近で体感できるような機会を増やし、心を豊かにしてくれる暮らしが送れる大田区になるよう取り組んでまいります。
 本臨時会に提出いたしました案件は、令和6年度一般会計補正予算(第1次)のほか、その他議案3件、 報告議案11件でございます。 本補正予算案につきましては、令和6年能登半島地震を踏まえた災害への備えに速やかに対応するための予算、子育て環境の充実に資する予算、国の総合経済対策に速やかに対応するための予算、当初予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するための予算を計上しております。 一般会計における補正予算案の規模は69億6,224万2千円となり、補正後の予算額は3,481億7,222万円余となっております。 第1次補正予算案に計上した事業から主なものをあげますと、災害対策本部運営訓練の充実や簡易トイレの集中保管に係る経費、また、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金及び定額減税補足給付金の給付や小児インフルエンザ予防接種費用助成に係る経費等を計上しております。
 提出議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願い申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。 ありがとうございました。

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