腸管出血性大腸菌(O157、O111等)の知識
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更新日:2023年7月3日
腸管出血性大腸菌って何ですか?
腸管出血性大腸菌は牛の腸管などにいる菌で、ベロ毒素と呼ばれる毒素を作り、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)(注釈1)を起こします。代表的なものは「O157」で、その他に「O26」や「O111」が知られています。
子ども、とくに乳幼児の場合は、重症になりやすいので注意が必要です。
注釈1:HUSとは、ベロ毒素により血球や腎臓の尿細管細胞が破壊されたりすることで、急性腎不全や尿毒症、溶血性貧血、血小板減少などを起こす状態。
発生の状況
毎年全国で4000人前後の感染者います。年齢別にみると、0歳から4歳の割合が最も多く、次に5歳から9歳の割合が多くなっています。感染者の3割が10歳未満です。
発生状況の詳細はこちらをクリック「国立感染症研究所ホームページ」
主な症状
主な症状は、下痢、腹痛です。鮮血便がみられることがあります。
症状のある者の数パーセントに、溶血性尿毒症症侯群(HUS)を併発することがあります。腹痛、下痢、血便がある場合は、早めに受診することがとても大切です。
潜伏期間
1日から2週間(平均3日から5日)
主な原因
- 生肉(レバ刺、ユッケ)、半生・加熱不十分な食肉を食べた時
- 二次汚染した食品を食べた時
- 感染している人からの二次感染
腸管出血性大腸菌は、微量の菌により感染が成立します。そのため、人から人への感染が起こりやすく、保育園や幼稚園での集団発生がときどき見られます。
食中毒の予防
子どもや高齢者が肉を生で食べると、特に危険です
- 生食用食肉(牛の肉であって生食用のものに限る:ユッケ、タタキ等の牛肉)について規格基準があります。
- 牛生レバーの提供が禁止されています。
規格基準に適合した生食用食肉であっても、腸管出血性大腸菌などの食中毒を完全に除去することは困難なことから、食中毒の危険性は「0(ゼロ)」ではありません。子どもや高齢者等の食中毒に対する抵抗力の弱い方は、肉を生で食べるのは控えましょう。
家庭での予防方法
- 肉専用のまな板・包丁を用意して、肉類とサラダやフルーツなどの生で食べるものは、別々に調理しましょう。
- 生肉を触った後は、しっかり手を洗いましょう。
- 肉を焼く箸と、食べる箸は別々にしましょう。バーベキューや焼肉をする時は、肉の中までしっかり加熱しましょう。
食中毒予防の3原則についてはこちらを参照してください
かかってしまったら(家庭や施設での二次感染予防)
- 最も重要な予防方法は、手洗いです。調理や食事の前、用便後、帰宅時は、流水・石けんを使って手を洗う習慣を持ちましょう。
- オムツ処理や排便介助した後は、その都度必ず、流水・石けんで手を洗いましょう。手洗いは、洗面台で行い、台所ではしないようにしましょう。
- 下痢などの症状がある時は、早めの受診とともに、登園や出勤を控えて自宅で休養しましょう。
- 日々のお子様の様子を観察し、体調変化について保育園や幼稚園の先生と連絡しあいましょう。
- お風呂やプールに入る前は、お尻を洗ってから入りましょう。症状がある時は、最後に入浴し、家族と一緒に入らないようにしましょう。また、プールは控えましょう。
- タオルはひとりで一枚を使用し、共用しないようにしましょう。
- 水洗トイレの取っ手やドアのノブなどよく触る場所や、子どもがなめたおもちゃは、消毒用アルコールなどを使って消毒しましょう。消毒するときは、ガーゼやティッシュにアルコールを含ませて拭き取り、噴霧はやめましょう。
腸管出血性大腸菌に関する情報
食品衛生の窓「腸管出血性大腸菌O157」(東京都ホームページ)
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食品衛生
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