令和3年度
ページ番号:358165971
更新日:2020年9月28日
給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直し等
働き方の多様化を踏まえ、特定の働き方だけでなく様々な形で働く人を応援し「働き方改革」を後押しする観点から、給与所得控除・公的年金等控除制度の見直しを図りつつ、一部を基礎控除に振り替えることとされました。
この改正と併せて、基礎控除に所得制限が導入され、扶養親族等の所得金額要件についても見直されました。
1 給与所得控除の見直し
給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。
また、給与所得控除額の上限額が195万円に引き下げられ、上限額が適用される給与収入金額が850万円に引き下げられます。
改正後の給与所得金額の計算方法は以下のとおりです。
給与収入金額 | 給与所得金額 |
---|---|
1円から550,999円まで | 0円 |
551,000円から1,618,999円まで | 給与収入金額-55万円 |
1,619,000円から1,619,999円まで | 1,069,000円 |
1,620,000円から1,621,999円まで | 1,070,000円 |
1,622,000円から1,623,999円まで | 1,072,000円 |
1,624,000円から1,627,999円まで | 1,074,000円 |
1,628,000円から1,799,999円まで | 給与収入金額(注釈)×60%+10万円 |
1,800,000円から3,599,999円まで | 給与収入金額(注釈)×70%-8万円 |
3,600,000円から6,599,999円まで | 給与収入金額(注釈)×80%-44万円 |
6,600,000円から8,499,999円まで | 給与収入金額×90%-110万円 |
8,500,000円以上 | 給与収入金額-195万円 |
表中の(注釈)は、4,000円単位で端数整理します。
例:3,913,149円÷4,000=978.287…(小数点以下切捨て)
978×4,000=3,912,000
3,912,000×80%-440,000=2,689,600円(給与所得)
子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除
給与所得控除の上限額が引き下げられましたが、子育てや介護を行なう世帯には負担増が生じないよう配慮する観点から、以下の要件に該当する対象者は、所得金額調整控除が適用されます。
対象者は、給与収入額(1,000万円を超える方は1,000万円)から850万円を控除した金額の10%が給与所得額から控除されます。
≪対象者≫
その年の給与収入額が850万円を超える方で、次のいずれかに該当する方
・本人が特別障害者に該当する方
・年齢23歳未満の扶養親族を有する方
・特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する方
2 公的年金等控除の見直し
公的年金等控除額が一律10万円、引下げられます。
公的年金等控除額の上限が設けられ、公的年金等の収入額が1,000万円を超える場合の控除額が195.5万円になります。
また、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合、その金額に応じて公的年金等控除額が引き下げられます。
改正後の公的年金等雑所得の金額は以下の表から求められます。
受給者 の年齢 |
(a) 公的年金等の収入金額の 合計額 |
(b) 割合 |
(c) | ||
---|---|---|---|---|---|
公的年金等に係る雑所得以外の所得に 係る合計所得金額 |
|||||
1,000万円以下 | 1,000万円超 2,000万円以下 |
2,000万円超 | |||
65歳未満 | 130万円以下 | 100% | 60万円 | 50万円 | 40万円 |
130万円超 410万円以下 |
75% | 27万5千円 | 17万5千円 | 7万5千円 | |
410万円超 770万円以下 |
85% | 68万5千円 | 58万5千円 | 48万5千円 | |
770万円超 1,000万円以下 |
95% | 145万5千円 | 135万5千円 | 125万5千円 | |
1,000万円超 | 100% | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 | |
65歳以上 | 330万円以下 | 100% | 110万円 | 100万円 | 90万円 |
330万円超 410万円以下 |
75% | 27万5千円 | 17万5千円 | 7万5千円 | |
410万円超 770万円以下 |
85% | 68万5千円 | 58万5千円 | 48万5千円 | |
770万円超 1,000万円以下 |
95% | 145万5千円 | 135万5千円 | 125万5千円 | |
1,000万円超 | 100% | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
3 基礎控除の見直し
基礎控除額が一律10万円、引き上げられました。
また、合計所得金額が2,400万円を超える場合には、金額に応じて控除額が逓減し、2,500万円を超える場合には、基礎控除が適用されないことになります。
なお、基礎控除にかかる所得税と住民税の控除差額は、実際の差額に関わらず一律5万円として計算されます。また、基礎控除が適用されない納税義務者については調整控除が適用されないことになりました。
合計所得金額 | 基礎控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 43万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 |
2,500万円超 | 適用なし |
給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除
給与所得控除、年金所得控除がそれぞれ引き下げられ、基礎控除に振り替えられたことに伴ない、給与所得と年金所得の双方を有する方は、負担増となってしまう場合があります。
このような負担増を解消するため、給与所得控除後の金額(上限10万円)及び公的年金等に係る雑所得の金額(上限10万円)の合計額から10万円を控除した残額が、給与所得の金額から控除されます。
4 上記1から3の改正に伴う改正
所得要件等の見直し
給与所得控除及び公的年金等控除の一部が基礎控除に振り替えられたことに伴ない、所得控除等の範囲規定が整備されました。
要件等 | 改正後 |
---|---|
同一生計配偶者及び扶養親族の 合計所得金額要件 |
48万円以下 |
配偶者特別控除における配偶者の 合計所得金額要件 |
48万円超133万円以下 |
寡婦控除の同一生計の子の 総所得金額等要件 |
48万円以下 |
勤労学生控除の合計所得金額要件 | 75万円以下 |
障害者・未成年者・寡婦・ひとり親に 対する非課税措置の合計所得金額要件 |
135万円以下 |
均等割の非課税限度額基準における 合計所得金額 |
合計所得≦{(同一生計配偶者+扶養親族数+1)×35万}+10万+21万 ただし21万円の加算は、同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合のみ |
所得割の非課税限度額基準における 合計所得金額 |
総所得金額等≦{(同一生計配偶者+扶養親族数+1)×35万}+10万+32万 ただし32万円の加算は、同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合のみ |
ひとり親控除の創設及び寡婦(寡夫)控除の見直し
婚姻歴の有無を問わず適用される「ひとり親控除」を新設し、現行の寡婦(寡夫)控除と共に見直し・再編が行なわれました。
ひとり親の定義
現に婚姻していない方又は配偶者の生死が明らかでない方のうち、下記の条件を全て満たす方
(1)その者と生計を一にする子(総所得金額等48万円以下に限る)がいること
(2)前年の合計所得金額が500万円以下であること
(3)その者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
寡婦の定義
次の(1)又は(2)のいずれかに当てはまる方でひとり親に該当しない方
(1)夫と離婚した後、婚姻していない方のうち、次に掲げる要件を全て満たす方
・扶養親族を有すること
・前年の合計所得金額が500万円以下であること
・その者と事実上、婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
(2)夫と死別したあと婚姻していない方や夫の生死が明らかでない方のうち、次に掲げる要件を全て満たす方
・前年の合計所得金額が500万円以下であること
・その者と事実上、婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと
控除額
ひとり親控除
30万円
寡婦控除
26万円
改正後の控除額は、以下の表のとおりです。
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚の ひとり親 500万円以下 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 30万円 | - | 30万円 | - | 30万円 |
子以外 | 26万円 | - | 26万円 | - | - | ||
無 | 26万円 | - | - | - | - |
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚の ひとり親 500万円以下 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本人所得 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | |||
扶養親族 | 有 | 子 | 30万円 | - | 30万円 | - | 30万円 |
子以外 | - | - | - | - | - | ||
無 | - | - | - | - | - |
新型コロナウイルス感染症まん延防止に係る寄附金税額控除について
新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため、政府の自粛要請を踏まえて中止・延期・規模の縮小が行われた文化芸術・スポーツイベントについて、チケットの払戻しを受けない(放棄する)場合に、その金額を寄附とみなして、寄附金控除の適用を受けられる制度が創設されました。
なお、すでに払戻しを受けた場合でも、改めて主催者に払戻しを受けた金額を限度とした寄附を行うなどの一定の要件を満たした場合には、この寄附金控除の対象となります。
対象となるイベント
大田区では、文化庁又はスポーツ庁が指定したイベントを、寄附金控除の対象イベントとします。
対象イベントの一覧は、文化庁ホームページ又はスポーツ庁ホームページをご覧ください。
手続きの流れ
・主催者からの申請に基づき、文化庁・スポーツ庁が対象イベントを指定
・参加者が、対象イベントの主催者に払戻しを受けないことを連絡
・主催者から、指定行事証明書と払戻請求権放棄証明書を入手
・参加者が確定申告の際に、上記2点の証明書と共に申告
対象となる課税年度
・令和3年度分
・令和4年度分
控除対象限度額
合計20万円
給与支払報告書等のeLTAX(エルタックス)または光ディスク等の提出基準枚数の改正
給与支払報告書等について、前々年における給与等の源泉徴収票の税務署への提出枚数が100枚以上であるときは、eLTAX(エルタックス)または光ディスク等により提出することが義務付けられます(改正前の基準は1,000枚以上)。
この改正は、令和3年1月1日以後に提出すべき給与支払報告書等において適用されます。
eLTAX(エルタックス)または光ディスク等により提出に関する詳細は、こちらをご確認ください。
お問い合わせ
課税担当(税務調整)
電話:03-5744-1193
共通FAX :03-5744-1515
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