OTAシティ・マネジメントレポート（令和5年度決算版）

　区は、区民生活に最も身近な基礎自治体として、急激な物価高騰等に直面する区民生活・区内経済を支える取組をはじめ、少子高齢化や世帯構成の変化などに伴う生活課題への対応、激甚化する自然災害への備えなど、区が直面する「今」なすべき行政課題に着実に対応しております。また、基本構想で掲げた将来像の実現に向け、2040 年頃から本格的な人口減少時代を迎えても、成熟した大都市として持続的な成長・発展を遂げられるよう、区民の暮らしの質やまちの価値を高める「未来志向の戦略的な投資」を力強く推進しております。

　刻々と変化する区民の生活や価値観を踏まえつつ、区民生活・区内経済を支える必要性が高い施策は他に先駆けた新たな視点のもとでバージョンアップを図り、さらにスピード感をもって実施する必要があります。選ばれる都市として、力強い区政の歩みを進めていかなければなりません。

　こうした施策を支える区財政は、基金の適切な積立や特別区債の発行抑制と着実な償還の成果がみえ、現状において健全な状況にあります。一方、物価上昇などによる景気の下振れリスクや区の財源を一方的に奪う国による不合理な税制改正の影響など、区の財政環境の先行きを見通すことは困難な状況にあります。

　このような区財政を取り巻く状況においても、基本的な行政サービスを将来にわたり安定的・継続的に提供し、自然災害や感染症など臨時的・突発的な財政需要、景気の影響など急激な減収にも機動的に対応し、公共施設・都市インフラの強靱化や重要な成長戦略となる社会資本の整備といった未来への投資を着実に推進できる、強靱な財政基盤を堅持する必要があります。

　このレポートは、令和5年度決算をもとに、総務省の定める統一的な基準による財務書類等を作成したものです。現行の決算を補完し財政の透明性を高めるとともに、行政コストの把握や分析などに活用し、区を「経営」する視点のもと、区民の皆さまに信頼され安心できる、持続可能な自治体経営の実践に取り組んでまいります。

令和6年12月

大田区長　鈴木晶雅