水質浄化に向けた主な取り組み
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更新日:2024年11月7日
大田区では、呑川をきれいにするために高濃度酸素水や合流式下水道の改善など呑川の水質浄化に向けて様々な取り組みを行っています。また、東京都などの関係機関と連携した取り組みも推進しています。
平成7年には、東京都環境局や建設局、下水道局の共同事業として、「城南三河川清流復活事業」により、日量約36,300立方メートルの高度処理水を呑川に導水しています。また、平成17年には、東京都建設局や交通局と連携し、都営地下鉄浅草線(馬込駅や西馬込駅付近)のトンネル内に湧出する日量約81立方メートル(平成25年度実績)の地下水を呑川に導水しています。
大田区では、高濃度酸素水浄化施設、スカム発生抑制装置、河床整正工事などに取り組んでいます。
また、雨天時に下水道から呑川へ放流される汚濁負荷量を削減し、良好な水環境を創出するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する合流式下水道の改善の整備を東京都下水道局とともに事業を推進しています。
これらの取り組みは、水源を持たない呑川の水質改善に大きく寄与しています。
以下に、大田区の水質浄化に向けた取り組みをご紹介します。
水質浄化に向けた大田区の主な取り組み
(1)高濃度酸素水浄化施設
呑川の表層付近は酸素が豊富であるが、底層付近は酸素が少なく水質悪化の原因となっています。高濃度酸素水による浄化施設は、酸素を高濃度に溶解した水を底層に流し、水質を改善するものです。
平成23年度と平成24年度に、供給量100立方メートル/hの実験機による水質浄化実験を実施しました。実験機は、旧西蒲田五丁目児童遊園跡地(平成27年度まで西蒲田五丁目児童遊園)に設置し、馬引橋付近で高濃度酸素水を放流しました。放流口(馬引橋)から上流150m、下流100mの範囲で、底層での溶存酸素(DO)の上昇を確認しました。
実験を踏まえ、水質浄化シミュレーションを実施した結果、蒲田周辺の水質を改善するには、供給量300立方メートル/h規模の浄化施設を3地点(太平橋、西蒲田五丁目児童遊園、夫婦橋)に設置する必要があることがわかりました。
今回は、平成25年度の呑川水質浄化対策研究会において、まずは旧西蒲田五丁目児童遊園跡地に供給量300立方メートル/hの浄化施設を設置し、改善効果を検証することになりました。浄化施設の増設については、検証結果や他の対策の状況を踏まえて再検討し、効率的な水質改善を目指していきます。
<浄化施設の概要>
御成橋上流側で河川水を取水し、旧西蒲田五丁目児童遊園跡地に設置する浄化施設において高濃度酸素水を生成し、呑川に放流することにより底層の貧酸素状態を改善します。なお、取水箇所は放流水の影響範囲や取水施設の維持管理等を考慮して、御成橋の上流側としました。
浄化方法:高濃度酸素水による酸素供給
視察規模:供給DO 30ミリグラム/ℓ・供給水量 300立方メートル/h (100立方メートル/h×3ユニット)
設置場所:旧西蒲田五丁目児童遊園跡地(大田区西蒲田五丁目1丁目1号先)
配 管:埋設配管(取水部、放流部は除く)
浄化施設配置図
高濃度酸素水浄化施設 全景
高濃度酸素水による酸素供給
(2)スカム発生抑制装置(屋形船型浄化装置)
呑川の蒲田管内においては、経年的に悪臭・白濁化・スカム等の発生が見られます。そこで、スカム発生抑制装置により、酸素濃度の高い表層の水を川底に送って、スカムの発生を抑制することを目的として実施しています。また、周辺溶存酸素等の連続測定を実施し、装置の効果の把握を行っております。
スカム発生抑制装置は、平成11年より2基のスカム発生抑制装置の稼働を続けていたが老朽化に伴い、平成26年に1基を対象として、機能強化を含めた更新を実施しました。また、残る1基の旧型機は平成29年度に撤去し、現在は新型機1基で運用しています。
旧型機のスカム発生抑制装置
新型機のスカム発生抑制装置
(3)河床整正工事
河床整正工事は、呑川の水質悪化や悪臭を防止するため、河川対策、下水道対策、流域対策など総合的な水質浄化対策が計画・実施される中、下水道の合流改善までの短期・中期対策の一つとして実施しました。
河床整正工事は、呑川の河床部に堆積した汚濁物質を直接効率的に除去することに加えて、汚濁物質が堆砂しにくい河床形状に整正することを目的に、平成26年度に河床整正工事暫定計画を作成し、段階的な暫定計画河床高の設定を行いました。
河床整正工事暫定計画を基に平成27年度は、具体的な現場条件を踏まえた上で「呑川河床整正工事詳細設計」を実施し、平成28年度から令和元年度までの4年間で、夫婦橋から双流橋までの区間を対象に、河床整正高STEP1までの掘削を実施しました。
平成28年度から令和元年度の4年間におけるSTEP1の河床整正工事は、双流橋から夫婦橋までの区間(約1,600m)で、バックホウ浚渫とポンプ浚渫の二つの施工方法により、河床部の堆積物約3,459立方メートルを掘削しました。これにより双流橋から夫婦橋までの河床は、汚濁物質が堆砂しにくい河床形状に整正することができました。
河床整正工事の施工出来形縦断図
バックホウ浚渫船による浚渫状況
高濃度式ポンプ浚渫船による浚渫状況
(4)呑川しゅんせつ工事
呑川しゅんせつ工事は、霊山橋から双流橋間の護岸(犬走り)に堆積している汚泥が、スカム発生や悪臭等の原因になっているため、臭気が強くなる夏場前の時期にしゅんせつ工事を行っています。
案内図
施工中
施工後
(5)河川浮遊物等回収作業
呑川の河川浮遊物等回収作業は、水面上のゴミや汚濁物質などの浮遊物を回収するため、オイルフェンスと呼ばれる仕切りを設置し、溜まった浮遊物を回収しています。また、定期的に自転車などの不法投棄物の回収も行っています。
河川浮遊物の回収作業
自転車などの不法投棄物収集状況
(6)呑川河床清掃
呑川河床清掃は、 ユスリカ発生の温床となっている藻を除去するため、河床の清掃を行っています。
河床清掃(搭乗式清掃車)の状況
河床清掃(スイーパー)の状況
(7)ユスリカ捕虫器の設置
平成24年度より、ユスリカの成虫を捕獲するために調布地区に8台のユスリカ捕虫器を設置しました。ユスリカ捕虫器は、ユスリカが光に集まる性質を利用した装置で、ランプに集まったユスリカをファンにより吸引捕獲する仕組みになっているものと、回転シリンダーで誘導、遠赤外線照射により熱で乾燥処理するタイプを設置しています。
捕虫器の設置状況
捕虫量の確認
(8)呑川流域中流部合流改善貯留施設整備事業
雨天時に合流式下水道から呑川へ放流される汚濁負荷量を削減し、良好な水環境を創出するため、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を令和2年度から行っています。
貯留する施設は、東調布公園を作業基地として整備します。
貯留施設計画図
合流式下水道の改善イメージ (出典:東京都下水道局「事業計画説明会資料」より)
呑川合流改善貯留施設立坑設置工事について、工事写真や進捗状況、工事に関する情報を発信するために工事用ホームページを開設しました。工事に関する最新情報はこちらよりご確認ください。
呑川流域中流部合流改善貯留施設整備事業の説明会について
開催した説明会の資料等を掲載します。
●呑川合流改善貯留施設貯留管設置工事説明会
開催場所・日時
(1)雪谷中学校
令和6年7月25日(木曜日)19時00分~20時30分
令和6年8月3日(土曜日)14時00分~15時30分
(2)石川台中学校
令和6年7月28日(日曜日)14時00分~15時30分
令和6年8月1日(木曜日)19時00分~20時30分
参加人数 74人
●呑川合流改善貯留施設立坑設置工事説明会(第2回)
開催日時 令和4年9月14日(水曜日)19時00分から21時00分
開催場所 雪谷中学校
参加人数 45人
立坑設置工事説明会(第2回)_配布資料(PDF:1,045KB)
立坑設置工事説明会(第2回)_説明資料(PDF:4,572KB)
立坑設置工事説明会(第2回)_質疑応答一覧(PDF:163KB)
●呑川合流改善貯留施設立坑設置工事説明会
開催日時 令和4年6月1日(水曜日)19時00分から20時00分
開催場所 雪谷文化センター
参加人数 32人
●呑川合流改善貯留施設立坑設置に伴う用地整備工事説明会
開催日時 令和2年8月5日(水曜日)19時00分から20時00分
開催場所 雪谷中学校
参加人数 24人
●呑川中流部合流改善施設整備事業に関する計画説明会(東京都下水道局開催)
開催日時 令和元年12月15日(日曜日)14時00分から15時00分
令和元年12月17日(火曜日)19時00分から20時00分
開催場所 雪谷文化センター
参加人数 53人
呑川流域中流部合流改善貯留施設整備事業についてのお問い合わせ先
大田区都市基盤整備部 建設工事課 工事担当(下水道整備)
所在地 大田区大森西一丁目12番1号(大森地域庁舎4階)
電話:03-6436-8730 FAX:03-6436-8732
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電話:03-5744-1304
FAX :03-5744-1527
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