おおた区報WEB版 平成30年11月11日号〔トップページ・特集〕
更新日:2018年11月11日
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特集
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《郷土博物館特別展 開催中》
作品の中の大田区 ―文士・画家の描いた風景―
江戸の近郊、東京の郊外として親しまれた大田区は、近世以降、浮世絵や紀行文の中で描かれてきました。明治・大正期半ばまでは緩やかに変化してきた風景も、それ以降、劇的な変化を遂げます。こうした風景の移り変わりが文士や画家たちの作品の中に残されています。
現在、郷土博物館ではそれらの文学作品・絵画を集めた特別展『作品の中の大田区―文士・画家の描いた風景―』を開催しています。当時の面影と、変わりゆく風景を見つめてみましょう。
◆プレゼント
特別展会期中、この紙面をご持参いただいた方に特別展限定のしおりか絵葉書をプレゼント!(先着100名。なくなり次第終了)
作者である服部の自宅から池上方面を望んだ風景を描いた。左側が鐙坂(あぶみざか)、中央に描かれている道が池上へと続いている。
馬込は、九十九谷(つくもだに)といわれるほど、起伏のある土地柄です。古くからその地形は変わっていません。近代以降、画家たちは古き良き馬込の自然を好んで描き、文士は変わりゆく馬込の姿を表現豊かに著しました。
穴守神社は、京浜電気鉄道を輸送手段に東京近郊の行楽地として栄えました。その後、昭和6(1931)年に東京飛行場が開場すると人々の流れは徐々に羽田へと向かっていきました。押し寄せる近代化の波を藤森は絵画で、大町は驚きをもって紀行文に記しました。
関東大震災後に生まれ変わった東京。その新名所を月に1枚紹介している「大東京十二景」の一つとして制作された。この作品は東京飛行場が開場した翌年に描かれたもの。中央左に見える円形ガラス張りのものは当時の待合室。
尾﨑士郎は、代表作となる『人生劇場青春篇』の後半部分を森ヶ崎で書き上げました。思い出深いこの地が、目まぐるしいスピードで変わっていく姿を目の当たりにし、都市化の進行をただ受け入れるしか無い虚しさを紡ぎ出しています。
洗足池南側にあるボート小屋から御松庵(ごしょうあん)、袈裟掛松(けさがけのまつ)の方面を見下ろした構図。ボート場は昭和初期から同39(1964)年までこの近くを走る池上電気鉄道(※)が運営していた。
※現在の東急池上線を当時運営していた事業者
洗足池に降る雨は、美しい池周辺の雰囲気にしっとりとした落ち着きを添えています。近世以来、絵師たちは季節・昼夜・天候を問わず洗足池を描いてきました。
その風景は池の埋め立てが進んだとはいえ、今なお当時の風情を残しています。
郷土博物館特別展の詳細や、そのほかの催しについては下記をご覧ください。
郷土博物館特別展
作品の中の大田区 ―文士・画家の描いた風景― 【観覧無料】
日時=12月24日(休)まで開催中 午前9時~午後5時(月曜休館。12月24日は開館)
大田区を描いた絵画、書籍、古地図、絵はがきなど紙面で紹介した作品のほか約200点を展示
◎特別展に関連した催しも予定しています。
[1] まち歩き
日時=①11月17日(土)/馬込地域 ②12月2日(日)/大森海岸地域 いずれも午後1時~4時
[2] 朗読会「朗読で楽しむ馬込文士村」
日時=11月23日(祝)午後2時~4時
会場=郷土博物館
[3] 講演会
①「『馬込の家』―祖父犀星の日常―」
●室生 洲々子(むろお すずこ)(室生犀星(むろおさいせい)記念館 名誉館長)
日時=11月25日(日)午後1時30分~3時
会場=郷土博物館
②「作品にみる住と遊―馬込文士村と海辺の歓楽―」
●髙嶋 修一(青山学院大学教授)、鈴木 勇一郎(立教大学立教学院史資料センター センター員)
日時=12月9日(日)午後1時30分~4時10分
会場=郷土博物館
[4] 室生犀星離れ(馬込第三小学校内)を見学
日時=11月25日(日)午後3時30分~5時
◇[1]~[4] いずれも◇
定員=先着 [1][2][4]各30名 [3]各80名
申込方法=[1][4]電話 [2][3]当日会場へ
「川瀬巴水(かわせはすい)カレンダー2019」販売
表紙は「馬込の月」。四季折々の風景を川瀬巴水の作品でお楽しみください。
●販売場所 郷土博物館、区政情報コーナー、大森海苔のふるさと館、大田区観光情報センター ほか
●価格 1,200円
お問い合わせ
広聴広報課
電話:03-5744-1132
FAX :03-5744-1503
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