おおた区報WEB版 令和5年1月1日号〔トップページ・特集〕

更新日:2023年1月1日

特集

歴史・文化に親しみ 実りある1年へ

歴史・文化に親しみ 実りある1年へについての画像 明けましておめでとうございます。区民の皆さまには、新しい年を健やかにお迎えのことと存じます。
 昨年は、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立に向けて社会が大きく動き出しました。大田区でも、日常生活や経済活動の正常化に向けて区政を着実に進めております。区の長年の悲願であった新空港線(蒲蒲線)の整備に向け、整備主体となる羽田エアポートライン株式会社を設立し、また、大田区の一大イベントであるOTAふれあいフェスタを3年ぶりに開催するなど、地域活性化に向け大きく躍進した1年でした。
 本年は勝海舟(かつかいしゅう)生誕200年にあたります。勝海舟(かつかいしゅう)記念館では、生誕200年に合わせて、海舟の生涯を「家族の視点」から紐解(ひもと)く特別展を年間を通して実施する予定です。また、今号では俳優で大田区観光PR特使の高橋(たかはし)ひとみさんに勝海舟(かつかいしゅう)記念館とご自身の地元、洗足池についてお話しいただきました。区内には勝海舟(かつかいしゅう)記念館のほかにも、魅力的な博物館・記念館がございますので、この機会にご来館いただければ幸いです。
 新型コロナウイルス感染症の影響は続いておりますが、皆さまが明るく、希望を持てるよう、区政を推進してまいります。この1年が、皆さまにとって幸多き年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

生誕200年 特別展開催
大田区の文化施設を巡る 勝海舟(かつかいしゅう)記念館へ行こう!

生誕200年 特別展開催 大田区の文化施設を巡る 勝海舟記念館へ行こう!についての画像

 今年は区内にある文化施設で周年企画や特別展などが多く催されます。
 大田区観光PR特使の高橋(たかはし)ひとみさんと、勝海舟(かつかいしゅう)生誕200年を記念した特別展が開催される勝海舟(かつかいしゅう)記念館を紙面で巡ってみましょう。

勝海舟(かつかいしゅう)生誕200年記念特別展プロローグ
出帆(しゅっぱん) 麟太郎(りんたろう)と四人の先達(せんだつ)たち

障害者のための国際シンボルマークについての画像 海舟の77年の生涯を家族や身近な人の視点で紐解(ひもと)く展示を4会期に分けて開催予定です。初回となる本展は、誕生から幕臣として飛翔するまでの約30年に焦点を当て、海舟に指針を与えた4人の先達(せんだつ)たちとの関係に迫ります。

勝海舟生誕200年記念特別展プロローグ 出帆 麟太郎と四人の先達たちについての画像

期間 1月6日(金曜日)から4月16日(日曜日)
(注釈)月曜日(休日の場合は翌日)休館
(注釈)4会期にわたるスタンプラリーを開催します

大田区観光PR特使
高橋(たかはし)ひとみさんと巡る勝海舟(かつかいしゅう)記念館


大田区観光PR特使 高橋ひとみさんと巡る<ruby><rb>勝海舟</rb><rp>(</rp><rt>かつかいしゅう</rt><rp>)</rp></ruby>記念館についての画像幕末・明治期に活躍した勝海舟(かつかいしゅう)が生まれて今年で200年!
勝海舟(かつかいしゅう)記念館では特別な展示が開催されるみたい。
私と一緒に海舟の生涯を振り返っていきましょう!

幕閣に加わる。そしてアメリカへ

幕閣に加わる。そしてアメリカへについての画像

 ペリー来航の翌月、海舟は幕府に外国の脅威から日本を守るための意見書を提出。内容を認められ幕閣の一員となった海舟は、長崎海軍伝習所で船の操練などの経験を積んだ後に、軍艦・咸臨丸(かんりんまる)で渡米を果たしました。

江戸開城前に訪れた池上本門寺

江戸開城前に訪れた池上本門寺についての画像 戊辰戦争(ぼしんせんそう)中の慶応4(1868)年4月9日・10日。軍事取扱であった海舟は、新政府軍の本陣・池上本門寺で新政府の参謀と会談。まもなく江戸開城となりました。

明治時代における海舟の奔走

明治時代における海舟の奔走についての画像

 明治時代になり海舟は徳川慶喜(とくがわよしのぶ)赦免(しゃめん)と復権を働きかけたり、困窮する旧幕臣らへの職の斡旋(あっせん)を行ったりして奔走しました。明治20(1887)年には伯爵(はくしゃく)受爵(じゅしゃく)し華族に列しました。

勝海舟(かつかいしゅう)ゆかりの地
洗足池

勝海舟ゆかりの地 洗足池についての画像1 海舟は晩年、洗足池近く(現在の大森第六中学校敷地内)に別荘「洗足軒」を構えました。夫妻の墓所がすぐ近くに現存します。

勝海舟ゆかりの地 洗足池についての画像2

海舟の遺蹟(いせき)の保存などを目的とした旧清明文庫(せいめいぶんこ)は当時の建築様式を残しつつ、勝海舟(かつかいしゅう)記念館として生まれ変わりました。(写真提供/公益社団法人 洗足風致協会)

勝海舟ゆかりの地 洗足池についての二次元コード開館時間 午前10時から午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日 月曜日(休日の場合は翌日)
(注釈)12月26日(月曜日)から1月5日(木曜日)は展示替え・年末年始のため休館
入館料 300円(小・中学生は100円)
(注釈)各種割引有り
問合先 勝海舟(かつかいしゅう)記念館 電話:03-6425-7608 FAX:03-6425-7610

勝海舟(かつかいしゅう)ゆかりの地 洗足池についての詳細はこちら

勝海舟(かつかいしゅう)生誕200年記念】クラウドファンディング「家族展を実現させたい!」プロジェクトに、多くのご寄付を賜り、誠にありがとうございました

 未公開資料「勝伯爵(はくしゃく)邸平面図」と明治時代の洋画家・川村清雄(かわむらきよお)が描いた海舟の親族の肖像画の修復、特別展の解説映像の制作などに大切に使わせていただきます。
 4月下旬から11月に開催の特別展で順次公開予定です。ご期待ください!

見どころたくさん!区内の文化施設

龍子記念館 開館60周年特別展「横山大観(よこやまたいかん)川端龍子(かわばたりゅうし)

 日本画壇の重鎮・横山大観(よこやまたいかん)の代表作「或る日の太平洋」や「無我」(後期のみ)など、40点以上の作品を通じて、大観と川端龍子(かわばたりゅうし)の交流を紹介します。
期間 2月11日(祝日)から3月12日(日曜日)(前期:2月11日から24日 後期:2月25日から3月12日)
午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで) (注釈)月曜日(休日の場合は翌日)休館
特別展入館料 500円(6歳から15歳は250円) (注釈)各種割引有り

ギャラリートーク
日時 2月12日・19日・26日、3月5日(日曜日)午後1時から
定員 先着各25名
(注釈)申込方法など詳細は問合先ホームページをご覧いただくか、お問い合わせください
会場・問合先 龍子記念館 電話・FAX:03-3772-0680

郷土博物館 企画展「花咲く おおたの園芸史 生産される花々」

 蒲田のハナショウブ、田園調布のカーネーション、馬込のシクラメンを中心に、明治時代から現代へと続く大田区の花づくりの歩みをたどります。
期間 1月7日(土曜日)から3月5日(日曜日) 午前9時から午後5時 (注釈)月曜日休館(1月9日は開館)
会場・問合先 郷土博物館 電話:03-3777-1070 FAX:03-3777-1283

勝海舟(かつかいしゅう)勝海舟(かつかいしゅう)記念館 関連年表

勝海舟・勝海舟記念館 関連年表についての画像

1歳

文政6(1823)年
本所亀沢町(現・墨田区)で誕生

7歳

文政12(1829)年
第11代将軍家斉(いえなり)の孫・初之丞(はつのじょう)に仕える

16歳

天保9(1838)年
父・小吉(こきち)隠居のため家督を継ぐ

19歳

天保12(1841)年
直心影流(じきしんかげりゅう)の免許皆伝を受ける

23歳

弘化2(1845)年
旗本・岡野孫一郎(おかのまごいちろう)の養女・民と結婚

24歳

弘化3(1846)年
赤坂田町に転居

25歳

弘化4(1847)年
蘭日辞書『ドゥーフ・ハルマ字書』の筆写を開始(翌年8月2日完成)

28歳

嘉永3(1850)年
蘭学塾(らんがくじゅく)氷解塾(ひょうかいじゅく))を開く/父・夢酔(小吉(こきち))死去

30歳

嘉永5(1852)年
妹・順、佐久間象山(さくましょうざん)と結婚/長男・小鹿(ころく)誕生

31歳

嘉永6(1853)年 ペリー、浦賀に来航
ペリー来航に伴い幕府へ海防などに関する意見書を出す

32歳

嘉永7(1854)年 日米和親条約締結

33歳

安政2(1855)年
長崎海軍伝習所に赴任

37歳

安政6(1859)年
赤坂氷川に転居

38歳

安政7・万延元(1860)年
咸臨丸(かんりんまる)で太平洋横断し渡米

42歳

文久4・元治元(1864)年
海舟の建言による神戸海軍操練所が開設

45歳

慶応3(1867)年 大政奉還(政権奉帰)
長男・小鹿(ころく)をアメリカ留学に送り出す

46歳

慶応4・明治元(1868)年 江戸無血開城
3月 西郷隆盛(さいごうたかもり)と会談
4月9日・10日 池上本門寺会談
静岡へ移住

50歳

明治5(1872)年
赤坂氷川に再移住

55歳

明治10(1877)年 西南戦争
長男・小鹿(ころく)帰国

57歳

明治12(1879)年
西郷隆盛(さいごうたかもり)追悼の石碑を浄光寺(現・葛飾区)に建立
(注釈)大正2(1913)年、洗足池畔の海舟墓所脇に移転

65歳

明治20(1887)年
伯爵(はくしゃく)となり華族に列す

68歳

明治23(1890)年
洗足池畔に土地を購入

69歳

明治24(1891)年
洗足池畔に洗足軒を構える

77歳

明治32(1899)年
1月19日 死去

没後

昭和3(1928)年
清明文庫(せいめいぶんこ)竣工

平成12(2000)年
清明文庫(せいめいぶんこ)が国登録有形文化財に登録

平成24(2012)年
清明文庫(せいめいぶんこ)が大田区の所有となる

令和元(2019)年
全国初の勝海舟(かつかいしゅう)記念館開館

令和5(2023)年
海舟生誕200年

(注釈)勝海舟(かつかいしゅう)の年齢は数え年で表記 
(注釈)明治5(1872)年12月3日を明治6(1873)年元日とし、明治5年以前は旧暦、明治6年以降は新暦で表記

いつまでも変わらずにいてほしい
居心地のいい環境や文化のあるまち

高橋(たかはし) ひとみさん
俳優・大田区観光PR特使

 大田区観光PR特使は、自分から「なりたい!」って手を挙げたんですよ。NHKの連続ドラマ「小吉(こきち)の女房」に出演したこともあって。小吉(こきち)さんは勝海舟(かつかいしゅう)のお父さんですね。私のお散歩コースに勝夫妻のお墓があって、とても身近に感じていました。
 羽田空港もあれば世界的なものを生み出している工場もある、田園調布もあれば下町もある。私の住む洗足池周辺も同じ大田区。多彩なまちだなぁと。就任後に知ったこともありますよ。例えば、なぜ「はねぴょん」がおけを持っているのかとか。大田区は銭湯が多いまちで知られていたんですよね。そんな大田区の素晴らしさを伝え広げたいと思いました。
 今回巡った勝海舟(かつかいしゅう)記念館は、オープンに合わせて周辺の道や公園が少しずつ整備され、きれいになりました。かつては誰も使っていなくて、文化財的な建物でしたし、夜は少し怖い感じでした。それがこんな文化施設に生まれ変わって。昔ながらの建築様式を残しつつ、館内には大迫力の映像ルームもあって楽しいですよ。海舟さんの偉業だけではなく、ご子孫に伝わるすてきなエピソードも知りたいですね。
 私の住む洗足池周辺は四季折々の景色を楽しめます。蛍の鑑賞会もありますけれど、やはり一番は桜ですね。子どもの頃は桜が咲くと「陣地取り」に行かされたのを覚えています。都心にいるのにまるで郊外にいるような、今もなお静かで豊かな風景に恵まれています。環境が良すぎて、ほかに引っ越したい場所がないですね。同じ区内に住むある俳優さんに「あんないい所にいるんだから絶対に引っ越すなよ!」と言われるくらいですから、本当にいいところなんだと思います。洗足池は外からわざわざ遊びに来てくれるような場所。地元に住んでいる者としては自慢ポイントです。
 時間がゆったり流れる居心地のいい場所は、いつまでも変わらないでほしいですね。

高橋 ひとみさん 俳優・大田区観光PR特使についての画像1高橋(たかはし)ひとみ
俳優。昭和54年のデビュー以来、舞台やテレビドラマ、映画などで活躍。平成31年2月に大田区観光PR特使に就任。区主催イベントへの参加やおおたの魅力を発信中

 

高橋 ひとみさん 俳優・大田区観光PR特使についての画像2

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