おおた区報WEB版 令和3年4月21日号〔トップページ・特集〕
更新日:2021年4月21日
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特集
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食のちからで、子どもたちを笑顔に
学校給食を通じて心と体の健康を保ち、成長を支える食育に取り組んでいる栄養士の皆さん。栄養バランスと食べる楽しさの両立を目指し工夫をこらしています。今回は、栄養士として40年勤務された
メニュー開発の原点は
「子どもたちのリクエストに応えたい気持ち」
栄養士として40年間、「最高においしい給食」を目指して区内の小中学校の給食に携わってきました。その中で考案したのが「たこぺったん」です。きっかけは子どもたちに給食に関心をもってもらうために取り入れた「リクエスト給食」。その中に「たこ焼き」の要望があったのですが、給食室にはたこ焼き器はない。揚げるしかないが、丸いままでは火が通りにくい。たこ焼きのイメージを保ちながら、調理しやすくするにはどうしたらいいのだろう……。子どもたちの要望に応えてあげたいので、試作を重ね、大きさや形、具材のたこやキャベツの切り方も工夫し、少し押して“ぺったんこ”にしました。いざ給食に出すと、ネーミングも親しみやすかったのか、喜んで食べてくれました。今では区の給食の“名物”料理になっているのはとてもうれしいです。
「食」は人間の体をつくる源。ただ食べるのではなく、その先の「食」そのものを子どもたちが自分で意識し、口に入るまでのさまざまな過程や栄養について頭で考えながら、正しい食生活を送るための知識を身に付けてもらえることを願っています。
Profile
大田区在住。区内の小中学校で食育指導や保護者向けの啓発活動など、「生きた教材」である給食を通して食の大切さを伝え、平成22年退職。メニュー開発した「たこぺったん」は、区の平成25年度成人のつどいで「食べたい懐かしい給食」の第1位に。
生きるための総合学習である「食」の楽しみを伝えたい
栄養教諭として大切にしているのは、子どもたちが食に興味をもって楽しんで食べられること。そのためにいろいろなお楽しみ給食を取り入れています。月1回、その月に誕生日を迎える子を祝う「バースデー給食」は、子どもたちにとって大切なイベントです。手作りケーキを出し、一人ひとりにバースデーカードを渡しています。「食育の日給食」では東京の食材を使い、「オリンピック・パラリンピック応援給食」は、参加国の料理を出し、私たちが住む地域や世界の食文化を伝えています。食育の授業は、全学年で行い、学年に応じて家庭科や生活科などの内容も取り入れています。「食」を通してあらゆる分野に視野と好奇心を広げてもらうことを意識しています。
お楽しみ給食や食育の授業をきっかけに、主食・主菜・副菜をバランス良く食べられるようになったり、食品ロスのような食にまつわる環境問題に興味を抱いたりする子どももいます。今後も食を通して楽しみながら生きるためにいろいろなことを学び、成長してほしいです。
Profile
志茂田小学校主任栄養教諭。管理栄養士の母の下、食について学ぶことが身近であったことから、食と栄養の専門家を目指す。小学校の教育実習で子どもの素直な反応に感動し栄養教諭に。「子どもたちが食べている時や食の話に興味をもった時のキラキラした笑顔が好き」
給食は“まなび”がいっぱい!
問合先 学務課保健給食係 電話:03-5744-1431 FAX:03-5744-1536
食材からまなぶ
カレーの定番具材、じゃがいも。みんなが食べているのは実は「根」ではなく「茎」。野菜のどこを食べているか注目してみると、味だけでなく、植物のつくりに詳しくなります。
郷土料理からまなぶ
「鬼まんじゅう」をご存じですか?さつまいもの角切りが入った蒸しまんじゅうで、愛知県の郷土料理(
尾形 さん
給食だけでなく、ご家庭の食卓にも学べることはたくさんあります。食事中に、使っている食材や味付けについて話をするだけでも、お子さんが「食」に興味をもってくれるきっかけになると思います。
世界の料理にふれる
「パステウ」は、生地にひき肉などの具材を包んで揚げたブラジル料理。
歴史をまなぶ
毎年2月6日は「海苔の日」です。大田区は海苔養殖業発祥の地、ということで焼き海苔を出しました。食材は、大田区の自然や歴史、産業を知るきっかけにもなります。
平尾 さん
志茂田小学校のホームページでは、献立や食材の産地、コメントを、給食がある日は毎日更新しています。ご家庭での献立作りにもぜひお役立てください。
お問い合わせ
広聴広報課
電話:03-5744-1132
FAX :03-5744-1503
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