おおた区報WEB版 令和3年1月1日号〔トップページ・特集〕

更新日:2021年1月1日

特集

未来を切り(ひら)きひとが輝く明るい一年に

未来を切り拓(ひら)きひとが輝く明るい一年にについての画像 新春のお(よろこ)びを申し上げます。区民の皆さまには、新しい年を健やかにお迎えのことと存じます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症による区内陽性者数が累計で2千名を超えるなど、私たちの日常生活が大きな影響を受けることとなりました。緊急事態宣言の発令以降、陽性者数が増える中、医療従事関係者をはじめとした、いわゆるエッセンシャルワーカーの方々には、感染の不安と闘いながら、現在に至るまでその職責を果たしていただいていることに、厚く御礼申し上げます。
 区はこの区政最大の難局を乗り越えるため、感染症対策をはじめとした、生活・経済の支援策など6本の柱からなる緊急対策「新おおた重点プログラム」に全力で取り組んでまいりました。今年も、区民の皆さまの生命・暮らしを守るとともに、区内の経済活動を支える対策に、切れ目なく取り組んでまいります。
 感染症との闘いは本年も続くことが予想されます。新しい生活様式の中、できる限り明るく前向きに生活ができますよう、区も全力で皆さまに寄り添う施策を実行してまいります。
 本年が、皆さまにとって、安全で安心な生活が保たれる一年となりますようお祈り申し上げます。

二〇二一 新しい生活スタイルで新しい年も元気に!

二〇二一 新しい生活スタイルで新しい年も元気に!についての画像

令和2年度認定 大田区伝統工芸士 笛師 田中康友(たなかやすとも) さん
詳細は下記へ

with(ウィズ)コロナ時代だからこそつなげていきたい伝統がある

with(ウィズ)コロナ時代だからこそつなげていきたい伝統があるについての画像1 篠笛(しのぶえ)をはじめ、和笛は昨今の西洋音楽とのコラボレーションや和楽器を使うバンドの人気で、とても需要があります。また、大田区は祭りがあると子どもたちが自分の笛を持ってお囃子(はやし)に駆け付けるような地域ですから、笛になじみが深い方が多いと思います。昨年はコロナの影響で、お祭りや舞台などの催しが次々と中止になり、笛を新調したいというお客さまもぐっと減りました。だからこそ生まれた時間は「“次”につなげるための期間」だと思います。沖縄の八重山民謡(やえやまみんよう)などで使う琉球笛(りゅうきゅうぶえ)の復元・復刻について相談があり、その調査や研究に専念しました。沖縄の3種の音楽を1本の笛で奏でられるようなものをと開発に時間を充てました。また、笛のメンテナンスの依頼もいくつかあります。自宅で過ごす時間が増えて、しまってあった笛を引っ張り出してきたのでしょうね。今はこれまでできなかったことへの挑戦や力を蓄えるための時間と思って、考えながら、やりながら走り続けていきたいですね。

with(ウィズ)コロナ時代だからこそつなげていきたい伝統があるについての画像2

笛工房和康(ふえこうぼうわこう)(大田区中央七丁目)では、篠笛(しのぶえ)以外に能管(のうかん)龍笛(りゅうてき)、ねぶた笛、琉球笛(りゅうきゅうぶえ)など日本全国の多様な横笛が作られています(写真左)。測定器を使い、丹念に調律具合をチェック(写真右)。

大田区伝統工芸士とは

 区では、伝統工芸士の社会的評価の向上や伝統工芸に対する興味・関心の喚起のために区内で活躍されている伝統工芸士の方々を認定しています。令和2年までに11名が認定されています。

with(ウィズ)コロナ時代を生きる《特別編》新しい生活スタイルで新しい年も元気に!

 おおた区報は昨年9月から、「with(ウィズ)コロナ時代を生きる」をテーマに新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の情報を連載してきました。
 本号では、大田区で活躍する4組の皆さんに伺った「コロナがあったからこそ感じられた人とのつながり」をご紹介します。

感染症を正しく恐れ、共存する
これからの私たちに求められること

東邦大学医学部 微生物・感染症学講座 舘田一博(たてだかずひろ)教授

感染症を正しく恐れ、共存する これからの私たちに求められることについての画像1

感染症の専門家として、コロナに対してどのような対策を取られてきましたか?
 国外で感染が確認された当時は、未知の感染症がどんな影響を及ぼすのか非常に想定しにくかったです。国内で感染が確認されてからは、とにかく日本国内でパニックを起こさないための情報発信を行いました。緊急事態宣言は、世界のような爆発的な感染の増加が日本でも起こるのではないかという危機感の中で議論しました。このままでは医療崩壊が起こり、大きなパニック状態になる。一方で、宣言を出せば社会の経済がストップしてしまう。当時の専門家会議メンバーで非常に悩んだことを覚えています。

コロナを通して見えたものはありますか?
 コロナは人と人、国と国とを分断する感染症です。感染者や医療関係者などへの差別と偏見の問題も、その1つの事例といえるでしょう。僕たちはこの感染症と長く付き合っていかなくてはならない。そのためには、感染症の特徴を知り、正しく恐れ、共存していくための生活様式を作っていく必要があります。そういう「大田区モデル」を、区と東邦大学の連携講座「地域連携感染制御学講座」を通して区民の皆さんと作り、全国に発信していきたいと考えています。

感染症を正しく恐れ、共存する これからの私たちに求められることについての画像2最後に、区民の皆さんへメッセージをお願いします
 先日梅屋敷の商店街を歩いていたら、すれ違った方に「頑張って!」と声をかけてもらいました。僕はそういう温かさがある大田区に、感染症に強いまちになってほしいんです。
 今年は区民の皆さんと一緒に考え、向き合っていく年にしたい。きっと僕たちは、医学の進歩や感染症の経験を通して、感染症ともっとうまく共存できるようになっていきます。大田区、そして日本の「互いを助け合う心」を信じて、ともに協力していきましょう。

舘田一博(たてだかずひろ)
東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授/一般社団法人 日本感染症学会理事長/政府新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバー

今、私たちにできることをやる
前向きな気持ちで勝利を勝ち取る!

バスケットボール女子日本リーグ・東京羽田ヴィッキーズ所属 本橋菜子(もとはしなこ)選手

コロナの第1波流行時はシーズン中だったと思います。どんな影響を受けましたか?
 去年は、シーズンが途中で中止になったところから始まりました。やっと練習できるようになってからは、休館している体育館が多い中でチームの事務局が練習できる場所を一生懸命探してくれたので、転々としながらなんとか練習してきました。私たちのチームは「今、私たちにできることをやろう」という前向きな気持ちが強く、本当にいいチームなんですよ。
 緊急事態宣言期間中は、実家で家族と過ごしました。私が実家の庭でシュート練習をするときに、姉たちが手伝ってくれて。コロナ禍だからこそ、家族とできたことだったと思います。

大田区に活動拠点を置く東京羽田ヴィッキーズ。大田区の魅力はどんなところだと感じますか?
 区内の方々とは、試合後のサイン会や練習中に近所のお店の方々が差し入れを持ってきてくれた時に、直接ふれあえる機会があります。応援に来てくれたときは「また来るね」って声をかけてくれて。下町感っていうのかな、人情味にあふれたところが温かくて、本当にありがたいです。

今、私たちにできることをやる 前向きな気持ちで勝利を勝ち取る!についての画像1今年の意気込みを教えてください
 まずは、無事にオリンピックが開催されてほしい。去年苦しい時期を乗り越えてきたからこそ、開催されたら世界中のみんなが一緒に感動できると思うんです。日本代表選手に選ばれたら、自分が求められている役割をアグレッシブに果たしたいです。チームで確実に勝ち進んで、絶対に金メダルを取りたいです。
 東京羽田ヴィッキーズも着実に成長しています。1月のシーズン後半戦は今までの積み重ねを試合の結果につなげて、最後は笑って終わりたいです。どんなときも希望を忘れずに、区民やファンの皆さんと一緒に頑張っていきたいです!

今、私たちにできることをやる 前向きな気持ちで勝利を勝ち取る!についての画像2

本橋菜子(もとはしなこ)
バスケットボール女子日本リーグ・東京羽田ヴィッキーズ所属/バスケットボール女子日本代表候補

新成人のパワー!コロナ禍だからこそ後悔しない生き方をしたい

令和2年度成人のつどい運営委員の皆さん

新成人のパワー!コロナ禍だからこそ後悔しない生き方をしたいについての画像1

コロナは、学校生活にも影響を与えましたよね
上田(うえだ):友だちと会えなかったのは、すごく寂しかったです。オンラインでつながれるけれど、直接会うのとはやっぱり違います。
夛田(ただ):私は4月から7月はオンライン授業だったので、今年度初めて学校に行けたのが7月末でした。友だちとはオンラインでは会っていたけれど、対面で会うのは初めての人もいました。いい意味でみんな印象が違うなと感じました。

学校や遊びに行けない中で、どんなことをして過ごしていましたか?
石山(いしやま):僕は自宅で趣味の絵画をして過ごしました。好きなことに没頭できたので、つらいと感じることは少なかったです。
櫻井(さくらい):僕が通う学校は週2回登校、そのほかはオンライン授業でした。メリハリをつけて生活できたので、僕にとってはいい経験ができた期間だったかな。

新成人のパワー!コロナ禍だからこそ後悔しない生き方をしたいについての画像2新成人の皆さんは、これからの未来をどのように過ごしたいですか?
石井(いしい):今は電車でしゃべることや席を詰めて座るのが、いけないことのような雰囲気がありますよね。そういう気まずさをお互いに感じなくていい世の中になってほしいです。
土井(どい):今後すぐにコロナが無くなることはないし、しばらくは感染が続いていくんだと思います。コロナを他人事と考えずに、感染対策を取りながら今できることをやっていきたいです。
吉沼(よしぬま):つらいときは誰かに聞いてもらうのが大事だと思います。SNSでもなんでもいい、時には感情をぶつけてもいいんじゃないかな。そうやって徐々に前に進んでいきたいですよね。
上田(うえだ):コロナが終わった時に、後悔しない過ごし方をしたいです。時間がたくさんある今だからこそ、目標ややりたいことを見つけて、後悔しない生き方をしたいです。

令和2年度成人のつどい運営委員
石井(いしい)さん、石山(いしやま)さん、岩佐(いわさ)さん、上田(うえだ)さん、栗原(くりはら)さん、櫻井(さくらい)さん、夛田(ただ)さん、土井(どい)さん、松永(まつなが)さん、吉沼(よしぬま)さん(50音順)

離れていてもつながる心
地域の方の言葉に救われた2020年

地域包括支援(ちいきほうかつしえん)センターの皆さん

高齢者と関わる地域包括支援(ちいきほうかつしえん)センター(以下、包括)は、コロナの影響が大きかったのでは?
廣瀬(ひろせ):私たちの主な仕事は相談業務と地域づくりなのですが、訪問や地域の集まりができない中で今後どうやって皆さんとコミュニケーションを取っていくかが課題でした。
荻田(おぎた):そんな中で生まれたのが「つながる掲示板」でした。掲示板は各包括に置いて、地域の皆さんに今の状況などを自由に書いてもらうものです。地域のつながりを感じてもらえたらいいなと思い、始めました。

印象的な書き込みはありましたか?
廣瀬(ひろせ):「コロナに負けるな」という言葉は印象的でしたね。高齢者は重症化するといわれている中で、大変な思いをしていらっしゃるのが伝わってきました。
阿部(あべ):「見てますよ、ありがとう」と書いてくれるだけでうれしかったです。利用者の方へお手紙を送ることもあったのですが、お返事があると皆さんの状況が分かり本当に安心しました。皆さんの言葉に支えられた職員は多かったと思います。
荻田(おぎた):包括羽田は同施設内に中学・高校生が利用する施設もあるので、イラストや学校生活のことなどの書き込みもあります。立ち止まって見ている姿も目にするので、やってよかったなと感じます。

離れていてもつながる心 地域の方の言葉に救われた2020年についての画像1今年はどんな年になることを願いますか?
荻田(おぎた):大変な時期があったからこそ気付けた人とのつながりを、今年もみんなで大切にして過ごしたいですね。
廣瀬(ひろせ):特に高齢者は感染リスクが高く影響が大きいので、皆さんが好きなことを我慢することなく、思い切り楽しめる年になってほしいです。
阿部(あべ):私たちも地域の皆さんも、コロナを正しく理解して、お互いを思いやって過ごしていけたらいいなと思います。

離れていてもつながる心 地域の方の言葉に救われた2020年についての画像2

写真左から廣瀬(ひろせ)さん(包括大森東)、阿部(あべ)さん(包括糀谷/見守りささえあいコーディネーター)、荻田(おぎた)さん(包括羽田/同コーディネーター)

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