おおた区報WEB版 平成31年1月1日号〔トップページ・特集〕

更新日:2019年1月1日

特集

好きが原動力 地元が元気!おおたパワー!

好きが原動力 地元が元気!おおたパワー!/大田区在住 女流棋士
渡部 愛(わたなべ まな)さん取材協力/ 蒲田将棋クラブ

好きが原動力 地元が元気!おおたパワー! “やりたい” “好き” を原動力に、地域を盛り上げている皆さん。分野はさまざまですが、真摯に打ち込む姿は、周囲の人たちを引きつけ、地元を元気にするパワーになっています!

将棋から広がるコミュニケーション

女流棋士 渡部 愛(わたなべ まな)さん女流棋士  渡部 愛 ( わたなべ まな ) さん

将棋の楽しさを子どもたちに伝えたい

 将棋との出合いは、小学2年生の冬に担任の先生が教えてくれた「まわり将棋」でした。それから将棋を教わるようになり、負けず嫌いな私は友人や父と対局を重ねました。地元の大会に出たことがきっかけで、中学2年生のときには憧れの女流棋士の方に指導対局していただけることに。このとき、将棋の楽しさや一手の深さを改めて感じ、プロ棋士を目指すことを決意しました。
 高校卒業後には、以前から通っていた蒲田将棋クラブのある大田区に住まいを移しました。大田区はどこにでも行きやすく、暮らしやすいまちですね。
 昨年、糀谷の子ども将棋教室に参加する機会をいただき、子どもたちが将棋を楽しむにはどうしたらいいのかを考えるきっかけとなりました。子どもの頃、良い先生に巡り合い、楽しく教えてもらった経験がプロになるきっかけだったので、これからも将棋の楽しさを子どもたちに伝えていきたいです。

将棋の楽しさを子どもたちに伝えたい

 将棋の魅力は、考えれば考えるほど局面が複雑化し、二度と同じ局面には出合わないことです。相手より一手でも先を読まなければならず、対局は寿命が縮むのではと思うほど神経を消耗します。日頃から駒を動かさず次の手を読む練習をするなど、鍛練が欠かせません。
 私の好きな言葉の一つに「磨斧作針(まふさくしん)」があります。惜しまずに努力し続ければ、困難なことも必ず成し遂げられるという意味です。今年5月には女流王位戦があります。タイトル防衛のため日々励んでいきますので、皆さん、応援をお願いします!

おいで通り糀谷商店会の子ども将棋教室で指導する渡部さん

渡部 愛さん●プロフィール
1993年、北海道帯広市生まれ。大田区在住。2013年にプロ入り。日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属。2018年6月、女流王位のタイトルを獲得。女流三段。好きな駒は桂馬。

地元に愛されるご当地ビール造り

地元に愛されるご当地ビール造り株式会社羽田麦酒 代表取締役 鈴木祐一郎さん

昔からの夢だったビール造りを大田区で

 大学で醸造科学を学び、お酒を造りたいという夢をずっと持っていました。新卒の会社で地ビールプラントの立ち上げを経験したことで、ビール造りへの思いが強くなり資格を取得。士業としてご当地ビール製造に携わいただくなど、ビール造りの世界へ自然と引き込まれていきました。
 自分が住む東京で、どうしてもビールを造りたくなり、2014年に(醸造所)を創業しました。職人が手作業でビールを造る小さなブルすが、「大田のお土産100選」に「ペールエール(通称・羽田ビール)」など、少しずつ皆さんに知っていただけるようになりました。

地元に愛されるご当地ビールを目指して

 ビール造りは、地域とのつながりが強い仕事だと思います。今では、羽田ビール以外に、池上地区商店会連合会と連携した「池上麦酒」、大田区名物の銭湯をイメージした「黒湯ビール」なども誕生しています。
 また、ラベル貼りは区内の福祉施設の方にお願いしています。麦芽・ホップ・水・酵母といった素材の供給から作業に至るまで、大田区にこだわったビールを造れるよう活動しています。

おいしいビール造りにかかせない比重チェック/原料となる麦汁造りは、ビールの味を決める肝の部分/ラベル貼りは志茂田福祉センターで行われている

大田区産の原料にこだわり、新たなブランドを

 地元の原料にこだわることは簡単ではありません。地元の方から原料をご紹介いただけるようになったのも最近のことです。区内の専門学校に酵母の相談をしたり、「大森麦わら細工」の工芸で使われなかった麦を提供してもらったりと新たな企画も進んでいます。また、区内で栽培されたフルーツやハーブを使ったビールやリキュールの製造などにも挑戦する予定です。とことん大田区にこだわったお酒づくりで、新たな「おおたブランド」を生み出していきたいと思っています。
 現在、大田区産のビールで地域を盛り上げようと、直営店の「羽田バル」のほか、水曜日の午後4時から7時限定で、区役所本庁舎1階の「カフェ コスモ」でも羽田ビールを提供しています。

羽田麦酒の直営店「羽田バル」では、大田区のご当地ビールが楽しめる。店長の大屋幸子さんも日々、ご当地ビールを広めるために活動している/いろいろな銘柄を製造。大田区土産としても人気

株式会社羽田麦酒/大田区多摩川1-23-12 石井ビル1F
羽田バル/大田区西蒲田7-41-8 2F 

地域の人との絆が 料理の隠し味

エスニックレストラン ハヌマン/サルマ デヴ プラサドさん、スディプ サプコタさん

地域の人と協力してこそ商売もうまくいく

 ネパールから来日し電車からふと外を見たとき、石川台のにぎやかなお祭りが見え、「ここでお店を出したい」と思いました。出店を考え始めたときに当時の商店会長さんに出会い、マナーを守ることの大切さや、商店街を盛り上げるコツなどを教えていただき、無事お店を出すことができました。
 お店を続けるのに一番大切なのは、地域とのつながりを大切にすることだと思います。ここまで続けることができたのも、地域の方々や仲間たちのおかげです。本当に感謝しています。
 お店のスタッフにも、「地域とのつながり」の大切さをよく話しています。来~る大田区大使として活動した経験を元に、海外にいる方にも地域の方々の思いやりや日本文化の良さを感じてもらえるよう、これからも発信していきたいです。

スディプさん「いいところを見て、いいことを聴いて、いいことをやろう!」/サルマさん「みんなで手をつないで仕事を頑張りたい」

日本に学びながら、愛情込めた料理を提供していきたい

 目先の利益を追うだけではお店を続けていくことはできません。味の追求、愛情を込めたサービスはもちろん、周囲の方との付き合いやあいさつを大切にしなければならないと思っています。お世話になった地域の方々に恩返しできるよう一生懸命働いて、おいしい料理を提供し続けていきたいです。

希望ヶ丘商店街青年部の皆さんと一緒に

エスニックレストラン ハヌマン
大田区東雪谷2-12-1 ほか
石川台店のほか今では区内に複数出店

国籍も年齢も超えて 囲碁が人をつなぐカフェ

大きな窓から光が差し込む店内はまさにひだまり。碁盤になる木目のテーブルや、店内に施された白黒のアクセントなどが来店者を楽しませてくれるカフェと囲碁 ひだまり 店主 野田麻由さん

初心者だったから遊び心ある碁会所をつくることができた

 実家は大岡山で碁会所を営んでいましたが、碁を打ったことはありませんでした。「実家を継いで囲碁の店を新たに出す」と決め、まず碁を覚えようと教室などを探したのですが、初心者や女性が入りづらいのが印象的でした。
 そうした経験から、囲碁とコーヒー、お酒が楽しめる“誰かを連れていきたくなるような遊び心のある店”をコンセプトにオープンしたのが「ひだまり」です。
 気が付けば、1歳から93歳まで、国籍も31か国130名余りの方がいらっしゃるようになりました。私は音楽活動もしており、国内外で大勢の方と出会いましたが、囲碁もまた最高のコミュニケーション・ツールだと感じています。
 また、「おおた商い・観光展」に出展したり、町工場の方にラテアートの型を作っていただいたりと、地域での新たな出会いも楽しんでいます。昨年は長原の街バルにも参加しました。新参者の私を受け入れてくれた長原は、懐の深い大好きなまちです。

囲碁の魅力を世界へ

 囲碁は一人ひとりの人生観を映すゲームのようで、他の方の手を見るのも楽しいです。四隅に打って堅実に手を進める方もいらっしゃれば、私などは型にとらわれず自由に打ちます。直感を信じて好きな道を選んできた自分の生き方にも通じるのかもしれません。
 新しいことにチャレンジしながら、この店を100年続く企業に育てたいです。そして、いずれは大田区から世界を目指します!

近所の方はもちろん多くの外国人も集まる

カフェと囲碁 ひだまり
大田区上池台1-32-7-2F

「好き」を原動力に歩む未来へ

「好き」を原動力に歩む未来へ 大田区長 松原忠義 明けましておめでとうございます。区民の皆様には、輝かしき新年をお迎えのことと、お(よろこ)び申し上げます。

 新年号では、「好き」を原動力に区内でご活躍されている方々からお話を伺いました。どの方も目を輝かせながらお話ししてくださり、「好き」ということが、何をするにおいても人を動かす原動力になるのだと改めて気付かされました。

 今回お話しいただいた皆さんには、物事を進める中で手を差し伸べ助けてくださる方との出会いがあったそうです。人と人とのつながりから何かが生まれていく力こそ、まさしく地域力であり、それが大田の強みなのだと確信いたしました。

 区政においても「地域力」と「国際都市」をキーワードに、大田区基本構想に掲げる将来像「地域力が区民の暮らしを支え、未来へ躍動する国際都市 おおた」の実現に向けて、着実に取り組みを進めております。

 私は、生まれ育ったこの大田区が大好きです。「好き」を原動力に、ますます大田区を盛り上げていきたいと思っております。

 この一年が、皆様にとって実り多き年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

大田区長 松原忠義

お問い合わせ

 広聴広報課 
 電話:03-5744-1132 
 FAX :03-5744-1503
 メールによるお問い合わせ