特別展「矢を放て!~関東の弓矢、一万年~」のご案内

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更新日:2024年10月1日

特別展「矢を放て!~関東の弓矢、一万年~」

 弓矢には、一万年にも及ぶ長い歴史があります。縄文時代の始まりと相前後して出現し、小動物の狩猟に適した道具として考案されたと考えられています。弥生時代以降は戦闘における武器としての用途が重要になります。ただし、実用的な武器としてだけでなく、武威を象徴する道具としての役割もあり、古墳に副葬された大量の弓矢や平家物語に描かれるエピソードなどからも知ることができます。その後、戦国時代における鉄炮の伝来によって長い射程を持つ実用的な武器としての重要性は大きく減退しますが、武術の一つである弓術や、神事における実演という形で、現在までその命脈を保っています。
 弓矢はその長い歴史の中で、様々な形や材質のものが現れ、移り変わっていきます。こうした弓矢の多様性には、当時の社会の中で弓矢が果たした役割や重要性、弓矢の製作に関わる技術の変革、弓矢を製作する材料の入手、弓矢を製作あるいは保有した集団の伝統など、様々な要素が反映されています。これらは重要な歴史学的課題です。
 大田区内でも、様々な時代の弓矢に関わる資料が遺跡から出土し、また、文化財として継承されてきました。今回の特別展は、そうした資料を中心としつつ、関東周辺の資料を加えることで、弓矢の長い歴史と多様性を見直す機会とすることを目指します。とくに東京都の指定文化財で新田神社所蔵の『紙本着色新田大明神縁起絵』は、南北朝期の弓馬合戦の様子が描かれた貴重な絵巻物で、東京都内の博物館では修理後、初めてのお披露目となります。この機会に、当博物館で弓矢の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

図録

特別展の図録は、令和6(2024)年11月1日(金曜日)から販売する予定です。

会期

令和6(2024)年10月8日(火曜日)~12月1日(日曜日)

開館時間

午前9時から午後5時まで

休館日

月曜日(ただし、休日・祝日の場合は開館し、振替休館はしません)

会場

郷土博物館 第1展示室(2階)

観覧料

一般(区内在住・在学300円/区外500円)
中学生以下(区内在住・在学100円/区外200円)
未就学児・65歳以上の方・障がい者(付き添い1名)無料 
・要身分証明書持参
・支払方法は現金払いのみです。
(注釈1)毎週土曜日、休日、祝日はこども(中学生以下)無料公開日(年齢のわかる書類をご提示ください)

主な展示資料

・区内遺跡出土の鏃(下沼部貝塚、多摩川台古墳群、塚越横穴墓群等)
・関東周辺の縄文時代から中世の遺跡出土の鏃と弓、古墳時代の埴輪(猪形埴輪、靫形埴輪、弓を持つ武装男子埴輪)
・東京都指定文化財 紙本着色新田大明神縁起絵
・六郷神社の子ども流鏑馬(動画)など


黒曜石で作られた縄文時代の石鏃/東京都大田区大谷・下谷遺跡/縄文時代/当館所蔵

2
黒漆の飾り弓/埼玉県さいたま市大木戸遺跡/縄文時代/埼玉県教育委員会所蔵

3
鉄鏃(雁股鏃)/東京都大田区多摩川台1号墳/古墳時代/江戸東京たてもの園所蔵

4
紙本着色新田大明神縁起絵(下巻部分)/江戸時代/新田神社所蔵 株式会社 半田九清堂画像提供

催事

(1)講演会
考古学をはじめ有職故実や民俗学など、多彩な講師陣が、展示に関連する調査・研究の成果を講演。
第1回 10月19日(土曜日)「弓矢の誕生-有舌尖頭器から石鏃出現の意義を探る-」
 講師:白石浩之氏(愛知学院大学名誉教授)
第2回 10月26日(土曜日)「多摩川流域からみた縄文・弥生南関東ヤジリ論-チャートと黒曜石、そして有機質素材をめぐって-」
 講師:寺前直人氏(駒澤大学文学部教授)
第3回 11月2日(土曜日)「古墳時代の弓矢文化-関東を中心にして-」
 講師:杉山秀宏氏((公財)群馬県埋蔵文化財調査事業団 資料部資料2課長)
第4回 11月16日(土曜日)「日本古代・中世の弓矢の位置-軍陣使用を中心として-」
 講師:近藤好和氏(有職故実研究家)
第5回 11月30日(土曜日)「南関東の歩射と流鏑馬」
 講師:鈴木通大氏(大和市文化財保護審議会委員、東京都民俗芸能大会実行委員)
 [各回共通]
時間:14:00~15:30、定員:50名、無料
申込:9月21日(土曜日)8:30から郷土博物館にて電話受付開始(先着順)

(2)遺跡歩き・まち歩き
第1回 10月14日(月・祝) 10:00~12:00
「多摩川台公園内の古墳をめぐる」
第2回 10月27日(日曜日) 14:00~16:00
「新田神社とその周辺をめぐる」
第3回 11月4日(月・祝) 14:00~16:00
「永寿院とその周辺の遺跡をめぐる」
 [各回共通]
定員:20名、無料
申込:9月21日(土曜日)8:30から郷土博物館にて電話受付開始(先着順)

(3)赤ちゃんと一緒に博物館へ
11月7日(木曜日)10:00~12:00
対象:1歳以下のお子様とその保護者、定員:8組、無料
申込:9月21日(土曜日)8:30から郷土博物館にて電話受付開始(先着順)

(4)展示解説
担当学芸員が特別展の見どころを解説します。
11月10日(日曜日)、11月24日(日曜日) (注釈1)両日とも内容は同じ
[各回共通]
14:00~、観覧料が別途必要 申込み不要 直接展示会場へ

(注釈1)(2)遺跡歩き・まち歩き、(4)展示解説以外の会場は、郷土博物館2階会議室。
(注釈1)各催事の際、特別展を観覧される場合は別途観覧料が必要です。

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お問い合わせ

大田区立郷土博物館

大田区南馬込五丁目11番13号
電話:03-3777-1070
FAX :03-3777-1283
メールによるお問い合わせ