運動遊びの効果に関する調査研究
ページ番号:242197581
更新日:2013年6月11日
幼児期運動指導(運動遊び指導)リーダー保育者養成研修(注釈1)の事業効果の検証
(注釈1) 運動指導(運動遊び指導)リーダー保育者養成研修については、こちらをご覧ください。
運動遊び指導リーダー養成研修の取組について(PDF:485KB)
平成25年5月29日に、今年度の第1回目の集合研修が開催されました。
当日の様子は、下記をクリックしてください。
運動遊び写真:かえる跳び&跳び箱
研修風景:鉄棒補助
はじめに 「運動遊びを通して幼児の好奇心・意欲・達成感・自信・集中力を育みます。」
幼児教育センターでは、幼児期の運動遊びが体力・運動機能の向上だけでなく、精神面、社会面での成長を促す大切な活動と捉え、保育園、幼稚園において、楽しく効果的に運動遊びを進めていけるように、「運動遊び指導リーダー保育者の養成研修会」を実施しています。
あわせて、本研修の有用性を検証するため、平成23年度及び24年度の2年間に渡り、本区教育委員会とNPO運動保育士会との共同研究事業と位置づけて「発達に即した運動遊びの理解と実践が、保育活動及び子どもの生活に及ぼす効果について」のテーマで調査研究を行いました。
調査内容・方法
【1】日常の保育における保育者の活動量と子どもの運動能力の間に関係性が生じるかの検討を行った。
(1) 担任(本研修受講保育者)に万歩計を装着し、1週間(8時間/日×5日)の活動量を測定した。
(2)【2】の検討で採用した子どもの運動能力の測定値と、(1)の保育者の活動量との関係性を考察した。
【2】 日常の保育において運動遊びを意図的に取り入れることによる子どもの運動能力の変化の検討を行った。
(1) 一般的な体力測定で行われている静止による測定ではなく、巧緻性や全身性の能力の評価を主眼におき、クマさん歩き・ジグザグくまさん・カンガルージャンプ・ジグザグカンガルー・ぶら下がり・肘付けぶら下がりの6種類の運動のタイムを測定した。
(2) 担任するクラスの子どもに対して、研修で提示した運動遊びプログラムを導入間もない時期と半年経過後の時期の2回に渡り(1)の測定を実施した。
【3】 保育者の日常の保育における運動を意識する度合いが、子どもの運動能力に影響を及ぼすかの検討を行った。
(1) 本研修受講保育者に対し、日常の保育の中で運動を重視しているかを6段階で回答を求めるアンケートを行った。
(2) 【2】の検討で採用した子どもの運動能力の測定値と、(1)の保育者の意識の度合いとの関係性を考察した。
【4】日常の保育で運動遊びを意図的に取り入れることにより、子どもの意欲、自立、積極性、社会性等の姿に変化がみられるかの検討を行った。
(1)本研修受講保育者に対し、担任するクラスの子どもの様子を「生きる力評定用紙」を簡易化した調査票に載せるように回答を求めた。
(2) 本研修で提示した運動遊びプログラムの導入間もない時期と半年経過後の時期の2回に渡り(1)の調査票によるアンケートを実施した。
【5】 本研修で提示した運動遊びプログラムを参考にした活動を保育に取り入れ実践していく取組が、保育者の保育に対する姿勢と意識にどのような影響を与えているかの検討を行った。
(1) 本研修受講保育者の所属園長に対し、担任が保育に向かう姿勢について、5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)に関連する設問を設定し、6段階での回答を求めるアンケートを行った。
(2) 本研修で提示した運動遊びプログラムの導入間もない時期と半年経過後の時期の2回に渡り(1)の調査票によるアンケートを実施した。
本研究の成果
「運動遊びの効果に関する調査研究報告講演会(平成25年3月15日開催)」の資料から
表紙「大田区事業効果の検証」・もくじ・報告内容 2から3ページ(PDF:213KB)
これまでの背景・生き生きとした子どもの姿を取り戻すために 4から5ページ(PDF:222KB)
実施した運動遊びについて・運動能力の測定について 6から7ページ(PDF:571KB)
調査研究の主な視点と成果
1 保育者の活動量と子どもの体力について
保育者が積極的に動くクラスの子どもたちは、そうでないクラスの子より運動能力が高い
担任の活動量(歩数)と子どもの体力との関連性について検証を試みた結果、特に積極的に動く先生のクラスは、そうでないクラスの子どもより運動能力が高いことがわかった。
報告1「積極的に動く先生と子どもの体力は関連する」 8ページ(PDF:149KB)
2 積極的な運動支援の効果について
幼児期運動指導(運動遊び指導)リーダー保育者養成研修で習得した内容を実施すると、子どもの運動能力が向上する
担任の先生が運動遊びプログラムの知識を獲得し、日常の保育に取り入れる前と後で、それぞれ測定を行った結果、3歳と4歳において、いくつかの項目で成績が向上していた。
報告2「運動遊びで子どもの運動能力は向上するか」 9ページ(PDF:277KB)
3 保育者の意欲的な取組が子どもの運動能力に関与する
担任の先生が運動遊びを意欲的に実施することの効果は、子どもの運動能力の向上として表れる
様々な保育活動の中で、特に運動を重視していると回答した保育者のクラスの子どもたちは、そうでないクラスの子どもたちより運動能力が高いことが確認された。
報告3「意欲的に運動を行っているクラスは運動能力が高い」10ページ(PDF:122KB)
4 担任の先生からみた子どもの生活態度の変化
担任の先生からみて、幼児期運動指導(運動遊び指導)リーダー保育者養成研修の前後で、子どもたちが成長したという実感がある
運動遊びを取り入れる前と後で比較してみた結果、担任の先生が子どもの意欲・心情・態度ともに肯定的に捉えるようになっており、頑張りを評価できる姿勢が高まったともいえる。
報告4「運動遊びで子どもの生きる力に変化があるだろうか」11から12ページ(PDF:319KB)
5 園長先生からみた担任の保育・教育に対する姿勢の変化
「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域の殆どの項目で成長が見られたという結果が得られた
自信をもって運動遊びを提供することが、子どもの活動の高まりだけでなく、保育者自身の保育活動にもよい影響を与えているといえる。
報告5「運動遊びの理解の深まりが先生と子どもの関わり方に影響するか」13ページ(PDF:222KB)
まとめ「報告1から報告5について」14ページ(PDF:124KB)
運動遊び写真:片足クマさん歩き
研修風景写真:側転補助
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader のダウンロードへ
お問い合わせ
電話:03-5744-1618
FAX :03-5744-1535