【プレスリリース】勝海舟記念館 開館3周年記念特別展「収蔵資料展 守り伝える海舟の“歴史遺産”」収集した初公開資料と修復・複製資料から伝える3年間のあゆみ

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更新日:2022年8月10日

日時

前期展:令和4年9月2日(金曜日)から10月30日(日曜日)まで
後期展:令和4年11月3日(木・祝)から12月25日(日曜日)まで

場所

大田区立勝海舟記念館(南千束二丁目3番1号)

内容 

令和4年9月7日、勝海舟記念館は開館3周年を迎えます。本展では前・後期を通じ計20点の資料(うち半数以上が初公開)を展覧し、これまで多くの方々からのご寄附によって取り組んできた、資料の収集と修復の成果と意義を伝えます。同時に、複製制作の事例についても紹介し、当館の展示活動に対する来館者の理解と関心の増進に繋げます。引き続き「勝海舟基金」を募り資料の収集・修復を継続してまいります。
【主なトピック】
1 初公開の収集資料、目白押し!
長崎海軍伝習所時代や文久~慶応の激動期における海舟の立場や動向を伝える古文書類や、咸臨丸で渡航したサンフランシスコでの海舟の交遊状況の一端を示すアメリカ軍人の肖像写真、所用品の水差などは、いずれも初公開。海舟に関する新情報が盛り沢山です。
特に、海舟の盟友・西郷隆盛に関する資料は注目です。中でも貴重なものが(1)「西郷隆盛肖像画」です。キヨッソーネ作画で知られる本作は、原画が戦時中に焼失し、今日までその様子はもっぱら原画の撮影写真と、これを元にした画像に頼る他ありませんでした。しかしこの度、勝伯爵家に伝わっていた本作の複写の存在が確認されました。他にも、(2)奄美大島の西郷幽居の絵図にもご注目ください。これは、安政の大獄で志破れた若き西郷が隠棲していた家の、明治期の絵図です。
2 修復によって甦る資料たち
記念館では、皆さまからいただいた寄附を活用し、海舟の古文書や所用品等の貴重な資料を修復して後世に伝える取り組みを行っています。一言で修復と言っても、その程度には気を遣います。汚れや破損の痕を完全に除去することや、推測をもとに欠けた部分を補う「復元」が技術的に可能だとしても、伝来した経緯を含めて「資料の一部」であることを尊重し、「必要不可欠な修復のライン」を資料ごとに見定めながら進めています。
本展は、実際に修復によって甦った資料を修復過程の様子やエピソードと共にご紹介する、当館初の試みとなります。(3)海舟が任務等の際に身に着けた可能性がある、梨地の美しい「陣笠」は初公開。さらに常設展の複製展示でお馴染みの(4)裃(肩衣・長袴)もご覧いただけます。
3 たかが複製?されど複製
複製(レプリカ)と聞くと、特に原物の観覧を期待している方は落胆するかもしれません。しかし複製は、原物保護の「楯」としての機能に加え、原物の本質をしっかりと伝える重要な役割を担った、原物と並ぶ立派な資料です。そのため、単に外観を模造するだけでなく、細部の造形や質感、色味等の再現にこだわって制作されています。
本展では、(5)初めて展示する海舟所用の蔵書印や、海舟がペリー来航時に幕府に提出した「海防意見書」自筆草稿の原物と、原物を元に制作された複製とを見比べていただき、本事業の成果と意義について来館者の理解につなげます。

大田区立勝海舟記念館区HPへリンク
入館料:300円、小中学生100円(各種割引あり)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は30分前まで)
休館:月曜(祝日の場合は翌日)、(展示替え休館)8/29~9/1、10/31~11/2

画像:西郷隆盛肖像画 奄美大島の西郷幽居の絵図(1)西郷隆盛肖像画   (2)奄美大島の西郷幽居の絵図

画像:陣笠 裃(肩衣・長袴)
(4)裃(肩衣・長袴) (3)陣笠

画像:海舟所用の蔵書印
(5)海舟所用の蔵書印

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