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こころの健康を守り推進するための基本法の法制化を求める意見書(5月24日)
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更新日:2012年5月24日
現在、うつ病や認知症などの精神疾患患者数は、全国で300万人を超えており、急増状態にある。また、年間自殺者は14年連続して3万人を超えている。厚生労働省の報告によると、自殺の背景には、様々な精神疾患が関連することが多いと指摘されている。こころの健康と精神疾患の問題は、国民の生命、健康及び生活上の重大な問題となっている。
大田区における精神障害者保健福祉手帳の交付者数は、平成20年度は950名、21年度は1,182名、22年度は1,335名と増加傾向にある。また、自立支援医療費制度(精神通院医療)における申請数も、平成21年度以降毎年9,000件を超える状況である。
こうした中、厚生労働省は「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできた「がん、脳卒中、心臓病、糖尿病」に精神疾患を加えて「5大疾病」とし、精神疾患についても重点対策が不可欠としている。
これまで国の施策は、重症化した精神疾患患者に、入院医療を提供することを中心とした精神科医療に代表されるように、顕在化及び深刻化した問題への対策にとどまっていた。そのため、精神保健・医療・福祉サービスへのニーズが変化してきているのに対し、サービス提供の体制が対応できていない。
国は、国民の願いに応えた安心社会を実現するため、明確な理念や目標に基づいた総合的な精神疾患対策の体制作りを推進していかなければならない。
精神疾患は誰でも発症し得るものであり、国が現状を放置することによって、当事者やその家族が苦難を強いられるのみならず、社会的にも活力と発展を阻害することから、保健・医療・福祉サービスを抜本的に改革する必要がある。
よって、大田区議会は、国会及び政府に対し、こころの健康と精神疾患対策に関する基本理念や施策推進の基本事項を定め、こころの健康を守り推進するための基本法の制定を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成24年5月24日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 宛
大田区議会議長