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耐震強度偽装問題に対する特別措置法の制定を求める意見書(3月28日)

ページ番号:732217830

更新日:2006年3月28日

 昨年11月17日に国が公表した耐震強度偽装事件は、生活の根幹である住居の安全性を無視し、多くの人の生命と財産を脅かした極めて非道な事件であり、発覚から4か月以上経過した現在においても事件の全容解明が進んでおらず、再建の糸口も見えない状況が続いています。
 国は、建築主の瑕疵担保責任が誠実に履行されていない中での緊急措置として、分譲住宅に限り公的支援の実施を決定しました。
 この支援策は、自然災害と同等の措置である地域住宅交付金の活用という国と自治体が一定割合を財政負担するというものであり、支援対象となっている分譲住宅でさえ、危険な建築物の除却や再建が進まない現状を見ると、現在の枠組みでは不十分と言わざるを得ません。
 また、支援の対象となっていない賃貸住宅においては、周辺住民への影響は分譲住宅と同様であるにもかかわらず、事業主の資力がないために危険な状態のまま放置されることが危惧されています。
 大田区においては、耐震強度を満たしていない物件が調査により明らかになり、区としても再建に向け可能な限りの支援を行っておりますが、現在もなお、そこに居住せざるを得ない住民や、倒壊の恐れがある建物の近隣に居住する住民の方の不安、心労は甚大なものと察しています。
 一連の事件に関し、このような事態を招いた国の責任は極めて重大であり、今まで自治体が支援のために負担した費用を補填することを含め、支援についての費用を国が全面的に負担するべきであります。
 さらに、早期に事態の収拾を図るため、現状を踏まえたより実効性の高い支援内容への見直しを行い、個人資産の形成に公費を投入することの妥当性について、広く区民の理解が得られるよう法的根拠の明示を求めます。
 よって大田区議会は、一刻も早い再建を望む立場から、国会及び政府に対し、下記の事項を強く要請します。

                                     記
 
1 耐震強度偽装問題への公的支援の根拠を明らかにするとともに、こう着状態を打破するた
 めの再建支援ができるよう特別措置法の制定を行うこと。
2 支援にかかる費用を国がすべて負担し、自治体が緊急の支援策として負担してきた費用を
 全面的に補填すること。
3 建築確認制度の徹底的な検証を行い、罰則強化を含め、再発防止に向けた抜本的な制度改
 正を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
 
                                                            平成18年3月28日
 衆議院議長  
 参議院議長  
 内閣総理大臣 
 国土交通大臣 あて

                                                             大田区議会議長

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