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障害者自立支援法案に慎重な審議を求める意見書(3月28日)
ページ番号:264662756
更新日:2005年3月28日
現在、国会では障害福祉サービスの一元化や、施設でのサービス利用量と所得に応じた自己負担化などを柱とする「障害者自立支援法案」が審議されております。
この法案では、障害者の地域内での生活と就労を推進し、自立を支援する観点から、これまで身体・知的・精神の障害種別に分かれていたサービス提供を一元化し、相互利用できる仕組みを創設するものとされており、障害者の自立支援に大きく寄与するものと期待しているところです。
また、法案には入所・通所施設の食費の自己負担や、サービスの費用や障害に関する医療費の1割負担の導入が盛り込まれております。これは、支援費が抱える問題を改善し、国民の信頼を得て安定的に運営するための、より公平で効率的な障害者を支える制度として持続可能性を確保する趣旨であると理解しています。
しかしながら、負担上限額の設定及び負担割合については、その所得を定額の障害基礎年金や家族からの扶養に依拠している多くの障害者にとって、過度な負担となることが懸念されるところです。
また、自立支援給付は、区市町村がサービスの提供主体となり、支給に要する費用の4分の1を負担することとされておりますが、特別区等のサービス水準が高い地域では、財政負担が大きくなることから、大都市の実態に見合った級地加算等の調整が求められます。
さらに、小規模作業所については、社会資源のひとつと捉え、施設、事業体系を再編し、現時点で法定外で良質なサービスを提供できる作業所を、新たな位置づけとするとしていますが、その内容は具体性を欠き、未だ不明確です。
法案の成立・施行により、多くの障害者が地域の中で安心して、輝き、豊かな社会が実現されることが何よりも大切であると考えます。
よって、大田区議会は、「障害者自立支援法案」の審議にあたって、障害者とその家族等の実態や要望を充分尊重するとともに、サービス主体となる区市町村並びに小規模作業所等の関係機関の意見をもれなく聴取した上で、区市町村の準備期間を考慮し、時間をかけて慎重に審議されるよう、強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条により意見書を提出いたします。
平成17年3月28日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて
大田区議会議長