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中央防波堤埋立地帰属問題についての大田区議会議長コメント(10月3日)

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更新日:2021年9月22日

 我々、大田区議会は、この度の中央防波堤埋立地の帰属に関する東京地方裁判所の判決に対しまして、会派を超えた議論を重ねるなかで、「控訴すべき」との「強い意見」もありましたが、苦渋の決断として、区の判断を「了」としました。
 大田区議会といたしましては、東京都の自治紛争処理委員による調停案が、真に合理的であるか否かに関し、司法の判断を仰ぐべきであると考え、出訴の議決を全会一致で行いました。判決では、大田区が主張する「海苔養殖」の経緯、江東区が主張するごみ処理の経緯、共に受け入れられませんでした。
 そもそも、中央防波堤埋立地は、大田区民が300年にわたり続けてきた「海苔養殖」の歴史に幕を閉じたことで生まれた土地であります。まさに大田区民の「生産と生活」の場であった地域における、その歴史的沿革を心に深く刻み込み、その思いを「継承して」参りたいと思います。この度示された判決は、同一用途・同一自治体の考え方のもと、調停案における大田区の帰属面積の割合を改め、およそ大田区の割合を5割増加させるというものでありました。判決に至る過程においても、7回に及ぶ口頭弁論を行うとともに、現地における当事者双方が参加する検証も行われるなど、非常に丁寧な手続きが採られました。東京都における調停手続きが、1度のみ当事者の主張を聞いただけであったことに比べると、今回の判決はより調停機能が果たされたものと思います。
 区長からのお話しにもあったように、本区に示された帰属範囲は、東京都の港湾計画において、埠頭用地、港湾関連用地とされております。今回の判決は、「空」と「海」、双方の「物流機能」を大田区という同一自治体に帰属することを導いたものであり、これからの東京の「国際競争力強化」の礎を築いて行くものと考えられます。そして、それは大田区民にとどまらない都民全体の「利益」につながるものであり、「司法判断を仰いだ意義があった」ものと考えております。
 一方で、新海面処分場の帰属を巡る課題は将来に残りました。新海面処分場の埋立計画及びその帰属については、今後、「関係区が同等に議論を行っていかなければならない」と考えております。
 将来的な空港臨海部のあり方に関わる重要な課題でありますから、東京都におかれても、大田区との意見交換の場を継続的に設けて頂きたいと考えております。
 大田区議会といたしましては、区民の皆様のご理解・ご協力を賜り、引き続き行政と一丸となって、「中央防波堤埋立地を含む空港臨海部の発展」に向けて取り組んでまいります。

 令和元年10月3日
 大田区議会議長

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