「くがはら」第82号(平成22年10月1日発行)
ページ番号:850788325
更新日:2010年10月1日
歴史と名前の由来 その2
「久が原」「久ケ原」「久原」どれが正しいの
歴史上の史跡が多いこの町
三木 榮(よし)任(とう)
池上本門寺山門坂の上の両側に江戸時代寄進された一対の灯篭には、本光寺檀家丹波屋さんと安詳寺檀家三木さんと共同での銘が見えております。久ケ原村の人々は、やはり主に日蓮信者であったと思われます。
尚、馬込領、六郷領の明白な歴史的解明は未だ定まっていない様です。
久ケ原村の明治22年の戸数は137戸、人口は671名となっています。江戸時代は六郷領久ケ原には領主は9人もおり、更に馬込領久ケ原に2人、合計2桁の領主が1つの村に居ると言う少々異常な感のする村です。徳川家が江戸に入る前の戦国時代は関東は、約100年間小田原北条氏の下に有り、比較的静かで平和であった様です。
更に古くは矢口の渡の事件の南北朝の時代、近辺地は色々と戦(いくさ)の場となった様です。鎌倉時代は皆様よくご存知の池上氏が鎌倉御家人であり、日蓮宗の熱心な信者です。日蓮聖人様もこの久が原を通って身延山、或いは千葉方面に行かれたと思われます。今のヒルズ久が原の池の湧水は、日蓮聖人御命名の諸(もろ)窪(くぼ)の井戸と聞いております。更に時代を遡りますと、久原小学校、アライブ久が原の敷地から出土している火葬された人骨の壺が有りますが、これは奈良時代の荏原郡の役人のものだそうです。この久が原は昔からずっと人々が暮らしてきた所だと言えます。
(次号へ続く)
地域社会への還元
松仙さくら児童公園の清掃
安藤 幸子
月2回公園清掃をさせていただいているすみれ会です。榊原先生を師として月4回雪谷文化センターで健康体操を行っているグループです。すみれ会が発足して28年、会員の平均在籍年数は18年位です。
すみれ会が公園の清掃を始めたきっかけは、6年位前に雪谷文化センターのテーマ「地域社会への還元」として、センターを利用している各グループで何か出来ることはないかという提案があったからです。1回で終わることではなく長く続けて私達に出来る事はないか。話し合っているとき松仙さくら児童公園が荒れているとのこと。早速見に行ってみると紙くず、空缶、タバコの吸殻等が散らかっておりました。松仙小学校の裏にあり、児童遊具や草花もなく、周りに四季を知らせてくれる木々が植えてある小さな公園です。私達でこの公園をきれいにする協力をしましょうと云うことで始めました。
すみれ会に入った頃は、中年位でしたが今は老年の域(平均70歳位)です。結局無理はしないということで清掃日は月2回。皆それぞれに鎌、竹箒、小箒等を持ち草むしり(春から夏は草の成長に追いつけません。)植込みに入り枯葉を集め(ゴミ袋に2、3個)自転車に乗せ自宅まで持ち帰ります。
清掃を始めた頃に比べ今の公園は吸殻、空缶、紙くず等も少なくなりました。「きれいにしておけば利用する方達も協力してくれる。汚れた所には平気で物を投げ捨てても、きちんとしていれば散らかすこともない。これが人間の心理ね。」と話し合っています。清掃の終わったあとの箒の掃目、草を抜いた後の土の色、それを見ながらの1杯のお茶のおいしい事、この気持ち良さは何事にも代えられません。
喜楽会と高校生の交流
雪校生が授業の一環として来訪
黒柳 美惠子
久が原の喜楽会は、昭和41年4月に創立、活動を続けて43年になります。現在の小川会長は3代目で会として初めての男性です。会場にも恵まれているのではないかと思います。久が原会館を毎週使用させていただき、カラオケや輪踊りと、時間に都合がつく会員が集います。また去年からは、雪谷高校の生徒さんが授業の一環として会を訪れるようになり、若い世代とわずかな時間ですが話し合いをしています。
その中のある1日の紹介をします。
勉強は学校で学んでいますので、喜楽会では雪谷高校の地元について、少し知っていただきたいと思い地元の事に詳しい会員の三木清一さんや山野利幸さん等が、三等三角点・力石など久が原西部八幡神社の境内にある物を見て歴史について話しました。
このような機会をいただき、孫の様な生徒さんからパワーをもらい、老人会では過ぎし戦争と、忘れてはならない事を少しでも伝えられたら良いのではないかと考え、今後も交流を続けていきたいと思います。
久が原の避難場所4
道々橋自治会地区
一時集合場所
1 東調布公園
2 松仙小学校
3 道々橋八幡神社
大震災が発生したとき、久が原地区の避難場所がどこか皆さんはご存知でしょうか。大田区の防災対策としては多摩川河川敷ガス橋一帯が避難場所として定められています。ただ直接多摩川に避難するのではなく一時集合場所に集まることも決められております。ちなみに道々橋自治会では、東調布公園、松仙小学校、道々橋八幡境内の3ヶ所を決めています。平穏に暮せる現在、万一のときの避難場所を知ることはとても大切なことと思います。しかし急に大災害が発生したときには自分の命を守ることが第一で、避難場所に行くのはその後のことです。
避難場所の位置を確認するのは大切なことですが、もっと大事なことがあります。それは地域の防災力を高めて被害を少なくすることです。その為には日頃の隣近所の付き合いを大切にしてお互いに助け合える関係を築くことが重要と思います。大災害のときの避難場所を考えたとき、最も身近な隣近所が一番確かな避難場所なのかも知れません。防災対策として正しい情報と近所付き合いが大事と考えているところです。
(三部 金光)
・前号に掲載した記事ですが、内容に一部漏れがありました。お詫びのうえ改めて全文を掲載いたします。
さわやか健康講座5
園芸療法で認知症予防
さわやかサポート久が原
電話:5700-5861
園芸は、誰もが身近に楽しめる健全なレクリエーションですが、近年「園芸療法」として、医療機関や福祉施設などでも活用されています。
最近では、介護予防の効果が認められ、リハビリの一環として採用する高齢者施設も増えています。適度な運動を伴う作業による筋力の低下予防、共同作業による社会性の維持、収穫の喜びや達成感による生きがい作りなど、様々な効果が期待されています。
ある研究では、土を混ぜる作業をすることで脳の血流量が増えることが科学的に検証され、園芸が認知症の進行抑制に効果があることが実証されました。また、収穫による達成感や充実感を持つことは、認知症による抑うつ気分の解消にも有効です。収穫した農作物は自分で調理をすることで脳のトレーニングにもなり、野菜からは認知症予防に有効なビタミン類をしっかり摂取することができます。
楽しく育てて美味しく食べて介護予防にも役立つ、一石三鳥の「園芸療法」、始めてみませんか。
久が原の人シリーズ24
堀由 美恵さん
耳の聞こえない
プロボディーボーダー
・久が原にある蕎麦屋「千登世庵」の次女として1973年10月に誕生。2歳で両耳の聴力を失い、3歳から補聴器をつける。
・耳が不自由なため、いじめられることもあったが、母から、強さや話し方、自分から声を出すことの大切さを学ぶ。
由美恵さんは、足ヒレをつけ腹ばいで波に乗るボディーボードと出合い、差別の無い海が自分の居場所と、夢に向かって頑張り続ける女性です。
プロのボディーボーダーとして、世界ランキング最高位13位となりましたが、2009年に引退。「夢と希望を海と私を通して伝えていきたい。」と現在はインストラクターとしてご活躍されています。
また、補聴器会社とスポンサー契約を結び、講師として耳の不自由な方等に講演を行っています。
夢を追い続ける由美恵さん。これからの活動が楽しみです。
TBS系列「情熱大陸」他に出演。
著書「聴こえなくても私は負けない」(角川出版)他
(三部 修一)
イベント情報
イベント情報
・久が原福祉園きらら祭
【日時】10月2日(土曜日)
【場所】久が原福祉園
・ふれあい久が原大運動会
【日時】10月3日(日曜日)9時30分から15時まで
【場所】久原小学校校庭(雨天時:同校体育館)
・雪谷文化センターまつり
【日時】10月9日(土曜日)から10日(日曜日)まで
【場所】雪谷文化センター
・久が原地区自治会連合会研修旅行
【日時】11月9日(火曜日)から10日(水曜日)まで
【場所】五浦温泉(茨城県)
・久が原南自治会懇親会バス旅行
【日時】11月10日(水曜日)
【場所】都内観光
・久が原東自治会防災訓練
【日時】11月21日(日曜日)9時30分から
【場所】久原小学校校庭
・大田区総合防災訓練・基本訓練
久が原地区(久が原西・道々橋自治会合同)
【日時】11月21日(日曜日)9時30分から
【場所】松仙小学校校庭
・久が原南自治会クラブまつり
【日時】11月28日(日曜日)
【場所】久が原クラブ
電話:3752-4271
久が原特別出張所
「昭和のかたりべ」を募集
記憶を集めて時代の資料に
「昨年久原小学校から、昭和20年前後の小学生がどんな遊びをしていたか話をしていただける方を紹介してほしいという要望があったんです。それが“かたりべ”募集のきっかけです。」と話すのは、東自治会会長の小原さん。
久が原には、現状きちんとした郷土史はありません。昭和27年頃作成された「久ケ原出張所要覧」は残っていますが、今の「生活インフォメーション」的な内容、久が原の人々の暮らしがどうであったかは書かれていません。
昭和20年の終戦を境に、生活体系や学校制度など暮らしは大きく変わりました。それまで農業主体の町であった久が原も経済復興とともに今や住宅地として発展を遂げています。しかしながら、その歴史の変遷を伝えるのは、もはや当時その時代を過ごした人々の記憶しかないのです。
「そこで、まずは昭和の時代を知っている方に集まっていただきたいというのが、今回の目的です。」と小原さん。終戦前後から昭和の時代を語り合えるのは今、70歳代、80歳代の方。大勢集まることで、幅広い話ができると考えるのです。テーマ別にいろいろな話や資料を整理することで、初めての「久が原の昭和史」が生まれる可能性もあります。
ご希望の方は、11月末日までにご連絡ください。
(平野ゆかり)
連絡先:3752-4271
久が原特別出張所
地域情報紙担当 河野
編集後記
先号は私の発病のため大林さんをはじめとする編集委員に迷惑をかけました。まったく記憶にないのですが、救急車には乗りたくないと大人の駄々をこね、周りの方々に迷惑をおかけしたそうですが、それでもこうして生かされています。普段の行動の大事さと運の強さに感謝です。
(小倉 敦司)
地域情報紙「くがはら」第82号(平成22年10月1日発行)はこちら(PDF:494KB)
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電話:03-3752-4271
FAX :03-3752-4514